「あ、今日って5月23日なんですか」
「あー、そうだね。それがどうかしたの」
「いやー、キスの日だったな…と」


思いまして。と言い終わるか終わらないか位にはイルミさんが間近に接近していた。
私はとりあえず後ろに飛んで間合いを取る。


「…なんですか」
「いや、キスの日なんでしょ?」
「だからなんですか」
「ねだってるんじゃないの?」
「なっ…!んなわけないでしょう!?」


そう叫ぶと、イルミさんはふぅん…とか言いながら近づいてきた。


「…何でまた近づいてるんですか」
「なんとなく」
「なんとなくって…!」
「期待してるの?」
「違いますっ…!」


そう言ったのに、イルミさんが私の目元にそっと口付けた。
一気に私の顔に熱が集まり、あまりの恥ずかしさに言葉が出なくて口をぱくぱくしてしまう。


「…期待外れ?」


そういうイルミさんの瞳が私の唇を捉えていて、思わず私は近くにあったものをひたすらイルミさんに投げ続けた。


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