「あれ…っ?」


気が付くとわたしは、ハンターのせかいにいた。
なんで分かったかというと、ハンターもじのチラシがかおにむかってとんで来たからである。

これがトリップね!わたしお話で見たことあるよ。やったぁ!









…という経験をしてから10年。
時刻はお昼ご飯後で眠い14時。
私は現代…というか三次元世界に居ます。
いや、違う。帰ってきたんじゃないんだ。

だってその10時間後には私はあちらの世界にいるのだから。
気が付くと、片方の世界で寝ている間にもう片方の世界に居るという謎の生活になっていた。


最初ハンターの世界に行ったのは小学校2年生。
着いた場所は流星街。
そして私は「捨てられたんだよ」と言われた。
違うと言っても、んなわけねぇだろという目で見られるだけ。
それでも仲間が出来た。
強くもなった。ハンターの世界では。


「あんたいつそんな怪我したの?」
「あー…、ほんとだ。擦り傷出来てるー」
「擦り傷なんかどうやったらできんだよ」
「仕方ないよ。…向こうの私は弱いからねぇ」


傷だけはきちんともう片方の私に持ち越される。
そういえば、どっちかで死んで永遠の眠りについたなら、もう一つの世界にずっと居る感じになるのかな?


「ほら、なまえ。そろそろ行くよ」
「あ、そっか。今回の私とシャルでやるんだっけ」
「思い出したらさっさと支度」
「はーい」


身体に蜘蛛の印をつけて、こちらの私は幻影旅団になる。
これがこちらで生きる為の手段だ。







「うっげぇ、痛…」
「あれ、切られたの」
「止血してある程度収まってから寝なきゃー…」
「そんくらい平気じゃない?」
「いやいや、あっちの私には一大事だからね」



そうして向こうの私に戻れば、私の腕には傷口がくっついてるとはいえ、傷跡があった。
そして、身体の蜘蛛を隠しながら、平和な元の世界での生活が始まる。




元の…世界。うん、…あれ?


どっちが本当の世界だったっけ?


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