「ゴンさん、絶対文化祭来てね!」

私がそう言うと、ゴンさんはにこりと微笑んでから頷いた。

明日は私の学校の文化祭。
クラスの出し物である喫茶店の衣装がとても可愛いので是非とも大好きなゴンさんに見て欲しいのだ。


ああ、早く明日にならないかなぁ。







「…ゴンさん、どうして?」

ああ、なんという事だろう。
ゴンさんの髪の毛が引っかかってしまい、校内に入る事ができなかったのだ。
思わず眉が下がってしまう。


教室の窓からゴンさんを見つめていると、目があった。


すると、ゴンさんは髪の毛を私の教室の窓にひっかけた。



「…なまえ、おいで」



私は嬉しくて嬉しくて、急ぐようにゴンさんの髪の毛を渡って、ゴンさんに飛びついた。


「あんまり悲しい顔しないでよ。…なまえが悲しいと、オレも悲しい」
「…見えてたの?」
「オレの視力15.3だから」

そう言った後、ゴンさんが「服、可愛いね」なんて言ってくれたものだから、私は真っ赤な顔を隠すようにもっと強くゴンさんにしがみついた。


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