「……」
「?どうしましたー?」
「いいいえ、なんでもございません!」
「そうですかー?」


どうしようどうしようどうしよう。
あ、皆様こんにちは。フラン様の部下のなまえと申します以後お見知りおきを。


ええとですね、今私と一緒にいるフラン様なのですが、フラン様のカエルのかぶりものに…恐らくベル様が書いたのでありましょう、白いマジックで「バカガエル」と書いてありまして。
…困ったものだ。
とばっちりを受けるとしたら私だというのに、ベル様の馬鹿。










…もうひとつおまけに馬鹿。


馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿…「いだっ!」

フラン様に後頭部殴られた!何故!

「お前今ミーの悪口言っただろー」
「いいい言ってません言ってません!」
「じゃー考えただろー」
「考えてません考えてません!」


なにこれ地獄耳!?読心術!?
何はともあれ誤解もいいところだ!


「…正直に言って宜しいですか?」
「やっぱり考えてたんじゃないですかー」
「いだっ!痛い痛いフラン様!髪の毛引っ張らんで下さい!髪は女の命!ヘルプ!ヘルプミー…」
「ミーの一人称盗ってんじゃねーよ」
「うわあぁぁ!誤解です誤解です!あのっ、フラン様の頭…というか蛙の後頭部にー…っ!」



バカガエル、という文字、がー…



途中まで言った所でフラン様はカエルのかぶりものを頭から取って地面に叩きつけた。



あンの堕王子。そんなゾクッとする程低い声が響きわたった。



「あの…フランさ…まっ!?」
「なんですー?今ミーは虫の居所が悪いんですがー?」
「い、や、あ、の…!」

なんか飛んできた!うわわわ、どうしよう


「ふ…フラン様は頭良いですよ!」
「知ってますー」
「で、ですよね、ハハハ…」


なにがしたいんだ私。


「わ、私落としましょうか!」
「だってコレ油性マジックですよー」
「高濃度のアルコールで落としますよ」


鞄からアルコールと脱脂綿を取り出し、脱脂綿にアルコールを含ませた。
それをそっとカエルの被り物にのせ、きゅっきゅっと拭く。と…


「きゃああっ」「アハハハー」


ちょ、フラン様棒読みで笑っ、じゃなくて。こ、これ。


「カエルの被り物の塗装まで剥げちゃった…。ど、ど、どうしましょうっ…!」
「それ堕王子に返しておいて下さいねー」
「ええっ!…は、はい……わかりました…」

ああもう、私の馬鹿。

「でもこーんな文字ほっとけば良かったのになんで消すだの何だの一生懸命になってんですかー?」

ミーは好きで被ってるんじゃないからべつに蛙がどうなろうがと呟いてるフラン様にぴしりと体が固まる。

「…そ、それは…………………な、なんでもありません!」


カエルの被り物を手にベル様ね部屋に猛ダッシュした。





だって、貴方が戦場をかける姿はとても綺麗で。
バカガエルなんて無粋な文字は私にはすごく邪魔なの。
ま、まぁ蛙がない方がサラサラの髪がよく見えていいなとは思うけれど!

…でも、だから、私は。貴方の為ならー…。




自分の思考に顔が熱くなり、私は蛙で少し赤い顔をかくしつつベル様の部屋に向かったのだ。







「ベル様っ、これ、あの」
「なにそれ、あのカエルの蛙じゃん」
「あ、の、蛙の後頭部の文字をけ、消そうとしたらですね、と、塗装がっ、剥げてしまいまして…っ!申し訳ございません!!」

がばっと勢いよく頭を下げるとベル様がよーしよしと私の頭を撫でた。

「えっと、あの…」「別に気になくていーよ」
「あ、ありがとうございます!」
「なまえ良かったら嵐の部隊来いよ」
「いえっ私は霧の属性ですのでお気持ちはありがたいのですがご遠慮いたします」
「カタイなーなまえは」
「も、申し訳ございません…」
「いーよいーよなまえは。なぁ、嵐の部隊に入らないなら王子とー…」
「ハイハーイ、なまえー任務いきますよー」
「フラン様!って、重っ、ちょ、やめてくださ…」
フラン様が私の頭をガシイ!とつかみ、ぐぐぐぐと体重をかけてきた。重い。というかどこから出てきたんですかフラン様!
「というわけでー、バイバーイ、先輩ー」

そういうとフラン様は今度は私を引っ張った。





「フラン様、痛いです、そして速いです、離してくださー…」
「黙れよ」



(この感情がなんなのか)

(ミーは分からない)
(ただ)

(いっしょにいたいとからしくない事思っちゃうんですよねー)



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オチないです。すみません。
フラン←なまえ←ベル
な感じ。
フランはなまえが気になるけど、ベルが好いてるから気になるだけなのか、純粋にすきなのか分からない感じになっている。


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