そもそも、なんでこんなことになったのだろうか。


「…………」


私は膝に乗せているリュックサックにもたれながら考え込んだ。







初めてトリップした時は、ただ首を傾げた。



…時計を見ると、5時30分前を指していて、あぁ、まだまだ最寄り駅につかないなぁなんでぼんやり考えていた。

ふと気づくと、電車の中にいる人の服装が異なっていた。
いや、別にキチンと服装なんて覚えちゃいない。

なんでそう感じたのかというと、基本的には皆普通の服装だけれど、その中の何人かが、一般的な感覚として考えると明らかに奇抜な服装だったからだ。


…コスプレイヤー?
いやいや、こんな公共の場でコスプレなんて同じオタクとして考えると非常識過ぎる。
しかも、こんなに。


「………」


どういうこと?と首を傾げた。
だって、なにより…さっきまでこんな人達居なかったじゃないか。


私はゾクリと身体に何か冷たいものが通るのを感じた。
…こわい。
夏によくある、ホラー特集!とかの場面を思い出してしまう。
なんせ電車は所謂、密室だ。
閉じ込められて、乗客全員実はオバケで私に襲いかかってくるなんて最悪の状況を思い浮かべた。
ああぁ…怖い。



ちらりともう一度乗客の方に目をやると。



(…あ、れ)



普通の光景に戻っていた。


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