どんどん光が近くなって、光に包まれたような感覚に陥った。
うおう、眩しい。ずっとあんな薄暗い所に居たから目がなれなくて、思わず目を細める。
「この湿原の生き物は、ありとあらゆる方法で獲物をあざむき、補食しようとします。標的をだまして食い物にする生物達の生態系…詐欺師の塒とよばれるゆえんです」
本当、とんでもない生態系だ。
弱肉強食の方がずっと単純でいい。
とりあえずイルミさんに一旦おろしてもらって、話を聞く。
担がれたまま聞くのはちょっと。
「だまされることのないよう注意深く、しっかりと私のあとをついて来て下さい」
…そのポーズイケメンですね、サトツさん。
そんな事を考えていると、けたたましいくらいに大きい叫び声がした。
「ウソだ!そいつはウソをついている!」
傷を庇うように出てきた男は、サトツさんを指差し、オレが試験官だと主張しだした。
…あたりがザワザワしだした。
…あなた達ー嘘ですよー。
そこからは、例によって根拠(こじつけ)をずらずらと並べだした。
そして、ヒソカさんがトランプ投げてハイ終了ー……、…!?
「うおおおぉぉぉ!?」
なんかトランプ一枚こっちにも来た!
気抜いてたから焦ってキャッチした。
心臓がバクバクいっている。
「なっ、なっ、なっ…!」
その後のやりとりなんてまったく耳に入らない。
とにかく、今は、目先の危機!
「…なまえ、大丈夫?」
「よっゆーですよ!焦っただけです……ギタラクルさん」
「ん?」
「私ちょっと文句言ってきます!」
「は?」
バーッと走ってギタラクルさんのもとから離れ、ヒソカさんのもとに向かう。
あの野郎、一発殴る!
主人公のハンター試験終了後の目的のようなものを心の中で掲げ、私は走った。
「…やっぱり、連れてくるべきじゃなかったかなぁ…」
まあ、退屈はしないんだけど。
…そんな事をイルミさんが呟いているなんてつゆしらず。
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