「キルが家出したってどういう事?」
「あの野郎、オレとママを刺して出て行きやがった!」
「ああもう、キルったらこんな風に親兄弟を刺すなんて、成長したのね!嬉しいわぁ!」
…だれか、通訳プリーズ。
というか話の受け答えが滅茶苦茶だ。
え?だれが今しゃべってんの?
みんな好き勝手喋ってるから会話が成り立ってない。
「あ、あの…みなさん…」
「あ!お前クルミちゃん!」
誰がクルミちゃんだコノヤロウ。
「お前帰ってきたのかよ」
「はい…まぁ…」
「お前なんなんだよ!お前が居なくなったせいでオレ達がどれだけー…」
「ミルキ」
「…イル、兄…」
「今はそれじゃない、キルの事でしょ?」
「…あぁ」
話によると、キルア君は「自分の将来は自分で決める」と宣言したらしい。
するとキキョウさんは泣きながらいかにキルア君が人殺しに向いてるか力説。
ミルキさんはキキョウさんを泣かしておいてなお意見を変えないキルア君に怒鳴る。
…で、キルア君キレてキキョウさんとミルキさん刺して逃走…と。
うん、ほぼ原作と変わってなさそう。
「なんか行きそうな所に心当たりある?」
「ないよ!だからオレはー…、……っ」
「どうしたの」
「あった、いや、心当たり…ひとつだけ…」
「…何?」
「…ハンター試験」
「…っ!」
やっぱり、バレている。
「オレがパソコンいじってたら、アイツ、横から覗き込んだ事が、あって…。その時のパソコンに出ていた文は…『ハンターとハンター試験』…。それ見てアイツ、ハンター試験って難しいのかって聞いてきて、相当難関だって聞くぜって返したら…面白そうって…」
キルア君…バレバレじゃないですか。
「ハンター試験?丁度それ行くよ」
ですよねー。
「あら!じゃあイル、まだあの子1人は不安だもの。様子を見てきて頂戴」
「うん、いいよ」
うんうん、これでちゃんと原作にー…。
「ね、トルテ」
「…え」
何故かがっしり腕を握られていた。
え、なんで?
「一緒に行くよね、ハンター試験」
「…え、え…!?」
「因みにこれは決定だから」
私、まさかの原作突入ですか…?
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