「あー、良かった」

だんだん憎しみがわいてきた私はどんどん力を込めた。
あのままいったら絶対握り潰してた。
ギリギリの所でジャック犯が「自首する」と叫んだ。

「まぁ、暫くは痛くて動かせないだろうし、内出血もひどいし、筋肉も損傷気味…骨にも小さなヒビはちらほらあるだろうから数ヶ月は使い物にならないだろうけど」

しかし私は悪くないし、反省はしない。
私をこうしたのは奴だ。
未だに許す事は出来ないし、一生恨み続けると思う。
彼は殺さなくて済んだけど、私は彼のせいで人を殺したのだから。


因みにジャック犯から解放された私が一番最初にした事は自分の力の確認である。
向こうで鍛えた身体はそのままだし、念能力も消えていなかった。
ドアノブ捻ったら、ドアノブがぐにゃんとなった時は思考が停止した。

「…んー」

ゾルディック家ではモノが壊れるような心配なかったから。
今私がすべき事は力の調整を出来るようにする事だ。

とりあえず仕事は辞めた。
もう2年もたっていて未練は無かったし、何より仕事を覚えていない。
事務職だから感覚でどうにかなるものじゃない。


「貯金は…あー…35万かー…」


ここの家賃が月7万だから…んー…。


「まあなんとかなるかな」

多分力仕事でもいけるから、土木作業でもばっちこいだわね。


「よし!やるぞー!」


私は嬉しい。
だってこの世界を愛していたから。
…向こうに帰りたいなんて、嘘だと言い聞かせて。
無理に声を出して、考えを打ち消した。


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