風邪をひいた。
理由はイルミこの野郎が勝手に私の部屋(小屋)に入ったせいで、全裸の私が鉢合わせしてしまい、半泣きでベッドに飛び込んだらうっかり全裸のまま寝ちまったせいである。

後半は私も悪いし、パンツを忘れて部屋に戻ったのは私のうっかりだが、イルミさんが鍵をかけたのに合い鍵で勝手に部屋に入りやがったのが一番悪い。


私がペットであるとか、奴が私を拾ってくれたとかはこれに関しては関係ない。
女として、私は怒っている!

「君は弱いね」
「……」
「ほら、一応薬あげるから」
「…どうも」
「裸の1つや2つでなんでそんなに怒ってるの」
「なっ…!」
「君いくつ」
「…ハタチ」
「だったら裸見せる機会位あったでしょ」

ぐむ、と口ごもる。
裸見せる機会というのはとどのつまりアレである。

「ありませんもん」
「…は?」
「私そういった経験無いですばーか!」

そう叫ぶとイルミさんが「珍しいね」と言った。
日本は経験数ダントツで世界最下位なんだから!絶賛少子化なんだからね!
珍しいわけじゃないんだから。

「元の世界戻るというのがなければ、純情でピュアガールな私は責任をとれと申し立てる所ですね」
「ふうん」

興味ねぇなオイ。

「じゃあこうしよう」
「はぁ…」
「仮に、元の世界戻れなかったら責任とってあげよう」
「はぁ…!?」

何だろう、この展開。
どういう事だろう。
なまえちゃんちょっと分からない。

「いやいや、あの」
「だって元の世界戻るんでしょ?なら問題無いじゃない」
「確かにそうですが」

私は戻って、あのジャック犯をぶっとばして、ジャンプのイルミさんの顔に鼻毛落書きしてやるという目的があるので、何が何でも帰る。
うん、問題ない。問題ないけど。

「帰るんだから、そんな約束しなくたって」
「うーん、まぁ、一応お詫び?」
「お詫びというのは相手が望んで初めて成り立つと思うのですが」

なんなんだとぐったりしていると、「話は変わるけど」と言われた。
変えちゃいますかそこ。

「お風呂好きなの?」
「それ聞きますかこのやろう。大好きですが」
「じゃあお詫び2」

ポンと何かを投げられて慌ててキャッチすると、それは入浴剤だった。
「あげる」
「…どうも」


何やら高級そうなソレを、とりあえずありがたく頂戴しておいた。



(ていうか私帰れなかったらイルミさんと結婚すんの?え、まじ?)


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