ミルキさんとの雑談中何故か終わったはずの訓練をする羽目になり、イルミさんにこってり絞られていた私は汗だくだった。
「つっかれたぁ…汗気持ち悪い…お風呂ー…」
実は私の8畳一間のお部屋には、浴室やトイレが備え付けられている。
因みにゾルディック家の方々にはそれぞれ個人用に大浴場がついてるらしいですよ。わー。
私は普通サイズです。
多分使用人用と同じような感じなのではなかろうか。
いやー…私ただの穀潰し状態なのにありがたやーありがたやー。
しかもきちんと毎日下着やタオルが洗われて棚に収納されている。
本当にいつもありがとうございます。
感謝しながらタオルと着替えを取り、浴室に向かう。
なんと私が訓練終わって帰ってくると、お湯がはってあるんだよね。いやぁ、何度も言うけど大変ありがとうございます。
シャワーで体を洗い流してから、感謝しながら浴槽に入る。
うー、あったかきもちい。疲れがとれるよー。
肩まで浸かっていると、ほわほわとしてきた。やばい、眠いかもしれない。
確かお風呂で眠るのは気絶みたいなものらしく、それで亡くなる人は多いらしい。仕方ない、ちょっと早いけど出るか。
*
「あれ、パンツが無い」
うっかり取り忘れたのだろう。
タオルとブラと着替えの服はちゃんと取ったのにパンツをうっかり取り忘れたようだ。
「まー、仕方ない。取りに行くかー」
此処は一応私の部屋だ。
(部屋じゃなくて小屋だろというツッコミはスルーで)
パンツを取りに全裸で出たって何ら問題は無い。
鍵だってちゃんとかけた。
とりあえず、ガチャンと脱衣場のドアを…開けた。
「あ」
「え」
私は目を疑った。
ちょっと待て、え、ちょ…イルミさん…!?
「ぎゃああああぁぁぁ!」
私は叫びながら手に持っていたバスタオルを投げつけた。
因みにひょいとよけられた。このやろう。
…って、そういう場合じゃなくて!
ああぁ、タオルでも巻いておけば良かった!
「なんで居るんですかあああぁぁ!」
「だって俺合い鍵あるし」
「だからって…!」
反論しながらタオルで隠す。
うっうっ…み、みられた。
「別に君の裸を見ても欲情しないから安心しなよ」
「そういう問題じゃないんです」
「とりあえずご飯持ってきてあげたから」
「それはありがとうございます」
「…まぁ、胸も小さいし」
「出てけーーーっ!」
私は渾身の力でイルミさんを追い出した。女の底力はやばいのですよ。
しかし最悪だ最悪だ最悪だ!
半泣きで全裸のままベッドに転がると、私はそのまま眠りについてしまった。
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