「お前、誰?」
キルア=ゾルディック。
言わずもがな、ハンターハンターのメインキャラクターである。
それが今、私の前に…。
やばい、超可愛い!
「侵入者じゃないんだろ?」
「えっと…私は…」
「ペットだよ」
「イッ…!」
私の後ろを見たキルア君の顔色が変わった。
うん、私も分かってるよ。この声は…。
「イルミさん……っぁ゙」
首をぎゅうと掴まれて、蛙が潰れたような声が出る。苦しい苦しい!
「訓練に遅れてこんな所でお喋りなんていいご身分だね?」
「イル兄…っ!」
「げほっ…げほっ…」
イルミさん怒ると超怖い。ついでに怒らなくても超怖い。
私いつかイルミさんに殺されるんじゃないですかね。
なんだかんだで住まわしてくれたり、訓練してくれたりで一応感謝はしてるのだけど、なにぶん極端でして。
「えっと、さっきキキョウさんに捕まっちゃいまして」
「そう。…キル、彼女は俺が拾ってきたペットだよ」
「え?あ、……ペット……え?」
キルア君がついてけなくてわたわたしてる。そうだよね、突然女の人をペット宣言だもんね。
ついでにその表情…すっごく可愛いですっ!
「キルア君かわいー」
「当たり前だよ。俺の自慢の弟だからね」
「っていうかペットって…!」
明らかに顔真っ赤にしてるキルア君はなんか勘違いをしてますな?
「ペットはペットでも訓練犬方面だから。それともキルア君はどういう想像したのかなー?」
「な、なんでもねー!」
耳まで真っ赤にしちゃってまぁ。
ああ、どうしてこんなに可愛いんだろう。
「素敵な弟さんですねー」
「でしょ。あ、ねぇキル」
「え?」
「こいつの訓練ついでにお前も訓練するから一緒に来て」
一気に赤の顔は赤でなくなった。
ごめん、キルア君。
prev - next