殺す予定だった女が目の前で寝た。
「なにこれ殺せって言ってるの?」
針を取り出して首もとにあてがう。
ぷに、と針にあわせて形をかえる皮膚は柔らかで、少しでも力を入れれば、それが刺さり絶命するだろう。
なにこのお家暮らしの箱入り子猫レベルの警戒心もない女は。
「君は何者?」
すこーっと寝息を立てて、熟睡している女は問に答える事はない。
「………。よっと」
その女を担いだ。
助けるとか優しい理由ではない。ただの気まぐれ。
なにやらおかしな事を発言していたこの女で楽しめる事があるならそうしてみようかという。
…さて、このオモチャはどのくらい俺を飽きさせずにいられるか。
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