昼休みです。
私の平穏を壊したマツバ先生の所に向かってます。
「はぁー…」
ふとため息をつくと、曲がり角で人とぶつかってしまった。
「ぎゃっ!」
「っ!」
思わず尻餅。うおお、お尻痛ぇ…。
「ち、ちゃんと前見ろ!」
「は、はいい、すみません!」
でも前見てなかったのはあなたもだったり!?
口には出さずにそう考えていると、す、と手が出された。
「ん?」
「うぇ?いや、今財布持ってな…」
「誰が金って言ったよ!」
「うおう!」
ぐいっ、と引っ張られ、起きあがらせられた。
思いっきり引っ張られたから腕が痛いと思いきや、あまり痛くない。…なんだ、優しいな。ツンデレか。
ツンデレ…。
バッ、と起きあがらせてくれた人を見る。
…ですよねー。
「な、なんだよ」
HGSSライバル君…。
「なんだろ…私キャラホイホイなのかなぁ…」
「はあ?」
なんだコイツという目で見られた。
「そういえばライバル君はなんで2年の教室に?」
多分ライバル君はヒビキ君やコトネちゃんと同じ学年だろう。
「ライバル君…?」
「いや、…君の名前は?」
「…シルバー」
ちょっと思うけど、こっちの世界でこういう名前ってすごい違和感あるよなぁ…。
それでも平気なようにもみんな洗脳されてるのかな。…お、ちょっと怖いけどすごい。
「つーかなんで俺が一年って知ってるんだよ」
「あ、ヒビキ君やコトネちゃんと同じかなって」
「ヒビキ…と、コトネ…」
うお、眉間に皺が…。
「ちっ」
舌打ちー!
「うおーい、シルバー!」
「お、噂をすれば」
「ちっ、やっぱりな」
「シルバー君ー、バトルしようよ!」
「コトネ違うって。今はお昼ご飯食べるの」
「あ、そっかあ」
「あ、先輩だ!せんぱーい!」
「うをっ!?」
ヒビキ君は飛びついて来た。
倒れるかと思ったわ。
…というか、ヒビキ君ってなんやかんやで私より背高いんだな。いや、可愛いのには変わりないけど。
…というか近い。ヒビキ君=可愛いで認識してたけど…体つきは男の子だ。ごつごつとした骨が体に当たる…。…そう考えてみると緊張すんなぁ。
「…ヒビキ君、ちょっと離そうか」
「あれ、先輩ひょっとして緊張してますー?」
耳元でしゃべるなヒビキこの野郎!
「ずるいっ。私も先輩に抱きつく!」
ヒビキ君を押しのけて私に体当たりのごとく抱きついてきたコトネちゃん。
いや、君らは普通に抱きつけないのか。中身出るよ私。
「シルバー君もやる?」
「は!?お、俺はいい!」
安定のツンデレ率だなぁ…。
「可愛いなぁ、シルバー君は」
「えー、先輩私は!?」
「コトネちゃんは天使です。可愛いです」
「えー、先輩俺は!?」
「君のあれはさっきのでガタ落ちだけど、可愛いから許す」
「ちぇー」
「え、なんで嫌がっ……っ゛あ゛っ!」
「え、なんで先輩今から吐くような声出すんです」
「マツバ先生に呼ばれてたんだ」
「え、なんで」
「知らない、けど…。…とりあえず行ってきます!」
私はマツバ先生の元に走り出した。
prev - next