ミナキ先生はマツバ先生に引きずられていった。
そんなに先生と呼んで欲しかったのだろうか。
大丈夫、心の中ではよんでるよ、ミナキてんてー。
「じゃー、先輩!俺達戻りますね!」
「またお話しましょっ、なまえ先輩!」
「うん!いつでもウェルカムだよ!」
「あ、これ俺のポケギアの番号なんで!」
「え、かけられんの?」
「あ、ポケギアちゃんと携帯仕様になってるのでバッチリっスよ。メールもできます」
「あ、ずるいヒビキ!私もー…」
「じゃあヒビキ君にコトネちゃんのアド教えてもらうね」
「はい!」
バー!と2人は走っていった。ああ、癒やされる。
「…さ、グリーン君教室同じだよね。帰ろ」
「あ、ああ…。つか此処どこだ…?」
「私を追いかけてたからって、知らない所来るってどうよ。…ここは電気棟だよ。電気科の生徒が勉強する所。うちらが行くのは本館。渡り廊下通れば本館だから。あ、因みにあっちは情報科のー…」
「なんか、ややこしいな…」
「別に、うちらは基本的には本館だし。こっちの校舎なんてめったに来ないから。あ、でも渡り廊下の途中の別れ道こっち行くと図書室とか理科室とかあるの。あっちは機械棟だから、うちらは関係ないよ。とりあえず、今は時間ヤバいし教室行こう教室」
「あ、ああ」
「レッドさん大丈夫かな」
「いや、あいつは大丈夫だろ」
…うん、そんな気がする。
*
「なまえっ!」
教室に戻るといきなり政子が飛びついてきた。
「政子…?どうしたの」
「アンタ、ヤバいわよ…!?」
「え、何が何が」
「グリーン君のファンクラブに目ェ付けられちゃったのよアンタ!」
「え゛」
ぐらりとめまいがした。
え、ちょ、おまっ。ええー…。
「最っ悪だわ。ちょっとグリーン君落としてくる」
「ここ3階!」
なんなんだ。流石はトキワのジムリーダー(笑)
…ふざけんな。
「やだ、もうやだ政子」
「まー、なまえの性格からしてグリーン君との仲は私は心配してないけどさぁ。グリーン君すごい剣幕だったじゃない?」
「体裁の話だよぉ…」
はあ…、と息をもらす。
「え?俺とあいつはそんな仲じゃねえよ」
それ逆に怪しまれるって知ってるグリーン君。
「俺とあいつは、いとこなんだよ」
「…は?」
一気に集まった視線を見て、私はグリーンを本気で落とそうかと思った。
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