あついあついあついよ!球技大会の時の体育館って人が多くてあつくて嫌だなあ。トーナメント形式のバレーボールの試合で早々に負けた私と友人はこの有り余った元気を発散すべく、他の競技の応援をすることにした。外のコートではドッヂボールしてるんだ。あ、蜂谷さん!ドッヂボールなんだ。よし!これは同じB組の仲間として応援せねば!えっと、対戦相手は、…A組だ!あ、藤くんがいる!だから女子がたくさん見に来てるわけだ…!藤くん女子に人気だもんなあ。1年のときは同じクラスだったけど、結局話したことなかったなあ。

――ボンッッ!
「あ、宗方くんあたっちゃった」
「わー…、痛そう」
「これでB組はあと3人かあ、」

宗方くんにボールを当てて小さく「よしっ!」って言う男の子をちらりと見てみる。あ、あの人知ってる。安田…貢彦くん?貢広くん?どっちだったっけ?同じクラスにはなったことないけどよく目立つからなんとなく顔覚えちゃった。私はちょっと苦手かなあ…。なんか怖いもん…。かっこいいけど。

あ、安田くんがこっちをちらっと見た。あ、目が合った。そしてもう一度ちらり。二度見されてしまった。わわっやばっ悪口言ってたのばれちゃったかな!?え、私そんなに見つめてたっけ!?慌てて目線をそらして隣の友人の陰に隠れた。楯にされた本人は頭にハテナマークを浮かべている。意味わかってないみたい(そりゃそうか。)だけどごめんっ今は何も言わずにかくまって!








っしゃー!今日は良い日だ!球技大会っつったら授業はない。それだけで万歳だ。しかもそこらじゅう体操着きた女子がうじゃうじゃいるんだぜ!?まぶしいくらい白いシャツとハーフパンツの紺色と柔らかそうな肌色の織り成す絶妙なハーモニー!なんつうの?ハーモニー?コントラスト?まあなんでもいいんだけど。普段の体育は男女別だし、新鮮っつうか…まあそんなかんじで、俺は今日という日を楽しみにしてたわけ!あ、もちろん純粋に球技大会をな!いや、完全に純粋な気持ちでとは!いいきれないけど!ね?とりあえず俺はは女子のバレーを見るつもりだったのに、美作がうるせーから暑苦しいなか外でドッヂをすることになった。ドッヂすきだからいいんだけど…でも、ね、女子の曲線美を見たいなあ…。…なんて思ってねえけど!!とにかく俺は外でドッヂボールをしたんだ。

俺の活躍のおかけで(っていうのはほんのちょっっとだけ言い過ぎだけど)!A組は順調に勝ち上がり、3回戦はB組と試合だ。今日は珍しく藤が参加してるけど、やっぱりやる気なさそうだ。うん、やっぱり。まあぼーっとしてても俺がA組を勝たせてやるって!

――ボンッ
よしっこれでB組はあと3にん。いける!いけるよ俺!!あのものぐさ藤に勝つんだ俺!これからはスポーツができて活動的な男の時代さ!俺みたいな?ちょっとすけべえでアイドルオタクなんて言われてるけど!あれ?安田くんってスポーツできるのね!ギャップ萌ー!みたいな?みたいなー!?
なんて考えながら観戦していた女子の方にちらっと視線を送ったら、つったってた女子と目が合った。他のクラスの子か?みたことないけど……かわいい。
え?え!?なにこのこ!俺のことめっちゃ見てるんですけど!じーっと、視線が、外されそうにないんですけど!さっそく俺のさわやかな汗にギャップ萌感じちゃったの!?どーなの?!え、俺モテ期到来しちゃった感じ!?なんて考えてたらぼかーんって、ぼかーんって頭にボールが当たった。痛い。頭だからセーフだけど、俺かっこ悪!くそ!美作め!人の不幸を笑いやがって。あ、あの子は…見てないか、よかった。

20100712
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