気になる恋愛事情

ふわふわ、ふわふわ。頭がすごくふわふわする。なんでこんなにぼおっとしてるんだろ、私。ここ、どこ?…あ、そうだ。テンゾウ用の薬が完成して病院に行って、綱手様に怒鳴られながらもなんとか薬を使う許可もらって、んで、さらにテンゾウのチャクラを増幅させる為に自分のチャクラまでテンゾウにやってたんだっけ。

目、やっと覚ましたんだよねえ…よかった。本当によかった。テンゾウがいなくなっちゃったら私どうにも立ち直れなかったよお。だってなんだかんだ私を分かってくれてる人ランクは、テンゾウが1番上だもん。カカシよりも上だもん。…で、私はなんでふわふわしてるわけ?んん、チャクラ切れ?そんな、カカシじゃあるまいしい…チャクラ切れはカカシの十八番であって私の十八番じゃないのよお?‥とはいいつつ、この感覚はチャクラ切れかなあ…。まあ、別にチャクラ切れと引き換えに大事なモノを失わずに済んだんだからそれはそれでおっけーよねえ。

テンゾウは私の大事な大事な、可愛い後輩だもん。








「……あ、覚めました?」

ふ、と視界に光が射し込んできて目を開けると、私の胸に聴診器を当てるサクラちゃんが見えた。じっと真面目に観察していたサクラちゃんの目がごそりと動いた私の体に気付く。

「‥おはよお〜」
「おはよお〜って…もう夕方ですよ?2日前にセナさんチャクラ切れで倒れて…丁度検診中だったんです。大丈夫ですか?」
「ただのチャクラ切れだよお?だいじょーぶだいじょーぶ!それよりテ…ヤマトは??」
「まだあの部屋に隔離されてますけど、やっぱりまだ満足に身体を動かせないみたいで…今日はいのが付き添ってると思いますよ」
「そっかあ…まだ効果はないかあ…」
「でも目や口の筋肉は動いてますからやっぱりセナさんが作った薬すごい効果ですよ。ご飯もお粥とかだったら食べられるみたいですし」
「ああ〜、私がチャクラ切れなんかじゃなかったらヤマトの看病絶対するのに〜」
「セナさんはさっさと体を休めてください」

ぴしゃりと言い放ったサクラちゃんにほっぺたをむうっと膨らませていると、苦笑いしながら聴診器を胸から外しベッドの横にある椅子へと腰かける。それにしてもちょっと前まではもうちょっと幼さがあったのに、いつの間にこんなに大人っぽくなっちゃって、サクラちゃん…

「誰の影響?」
「はい?」
「サクラちゃんが急に大人びちゃって、私ちょっとジェラシー。なんちゃってえ!で、誰の影響?」
「そ、そんなの誰でもいいじゃないですか…」
「開口1番にサスケの名前が飛び出さない辺り、本当に変わったよねえ」

そうへらっと笑いながら告げると、ふっとサクラちゃんの顔が曇る。あれれ、もしかして私地雷踏んだ系?こてんと首を傾げているとサクラちゃんはんん、と唸りながら小さく口を開いた。

「…サスケ君は…抜忍だったんですよ。さすがに…」
「へ〜…じゃあ、ナルト君?」
「……」
「?」
「セナさんはサスケ君を許せますか?どんな理由があったとしても…サスケ君は木の葉を…」
「やり方が違っただけで思い描いてた未来の" 核 "は一緒だと思うしなー。私は今のサスケを見る限り全然許せるよお?ま、その内皆も許せるようにはなっていくんじゃない?これからのサスケ次第だけどお」
「……」
「うちはのエリートに木の葉の英雄、ついでに根の暗部…カカシ班は優秀なイケメン揃いだねえ。まあそれにヤマトも入ってるんだけどねえ」
「あの…前から思ってたんですけど…」
「なあに??」
「セナさんってヤマト隊長のこと好きなんですか?」
「好きだよお?」
「そ、そんなはっきり…じゃあ告白とかは…」
「あ〜、ダメダメ、セナそういうのもういいの〜」
「え?なんでですか?」
「なんでも!」

ぱちんとウインクをしてサクラちゃんのおでこに人差し指をつくと、困惑したような顔を見せる彼女がいて。私は思わず眉を八の字に下げていた。

2014.05.31

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