朝。
私の家と学校の間にあるのがサスケの家。だから毎朝、私はサスケの家に寄って、サスケと一緒に登校する。あ、勿論、私の家の方がサスケの家には近い。
『おはようございます』
「ああ、名前。おはよう」
『おはようございます、イタチさん』
私を出迎えてくれたのはサスケのお兄さんのイタチさん。大学生で、この辺でも名門の大学に通っている。
今の時間帯にまだラフな格好なところを見ると、今日は1コマに講義がないみたい。
「すまない。実はまだサスケの奴寝てるんだ」
『へえ、珍しい』
「昨日、遅くまで部活でな。それに今日提出の課題もあったんだろう?」
『はい』
「それを帰ってきてから遅くまでやっていたみたいなんだ。さて、今起こしてくるからあがるといい」
『じゃあお言葉に甘えて、お邪魔します』
イタチさんはそのままスタスタと二階にあるサスケの部屋へと向かっていった。私はリビングへと向かう。この家のリビングはリビングダイニングだから、サスケは着替え終わったらここに来ることは分かってる。
「っ!わるい、名前っ…寝坊した……」
『いいよ。疲れてるんでしょ?』
「……」
「ほら、サスケ。落ち込んでいる暇があったらさっさと飯を食え」
「落ち込んでねぇよ……いただきます」
行儀良く手を合わせてから食べ始めるサスケ。でもその食事動作はいつもよりも早い。
「ごちそうさま。ちっ、もうこんな時間か。走って間に合うか……?」
『えへへ、自転車でいこうよ』
「あ?」
「コラ、二人乗りする気だな」
『ダメですかね?』
「……はぁ。俺は何も見てない」
『やったあ!ほら、行こうサスケ!』
「ったく……まあ、俺のせいだしな」
サスケはそういうと自転車を取りに行った。私は玄関先でそれを待つ。
「ほら!行くぞ!」
『うん!じゃあイタチさん!いってきます!』
「気を付けていってこい」
イタチさんに手を振ると、私は後ろの荷台に飛び乗った。
「しっかり捕まってろよ」
『わかってる』
私はサスケの腰に腕を回す。毎度思うけど、腰細すぎ。
サスケは力いっぱいペダルを漕ぐ。最初は重いペダルも、ぐんぐん早くなっていく。
「お前、太った?」
『っ』
「イテテ、おい、」
『おいって、どう考えても今のはサスケが悪いでしょう!』
私は思いっきり脇腹をつねってやった。
「ペダルの漕ぎ始めがいつもより重かったんだよ」
『サスケの力が無くなったの!』
「はいはい」
『もう……』
下り坂になって、私は腕に力を込める。自然とサスケとも密着する形になってサスケの匂いがする。サスケの使ってる石鹸の香りとか。
『私さ、サスケと自転車二人乗りするの好き』
「!」
『サスケはー?』
「………だ」
『なんて?』
「俺も好きだっていったんだよ!」
『えへへ……っ』
サスケの耳が赤いのを私はバッチリ見た
二人乗り推奨
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