マイユニについて



最近、ルキナが頻繁に体調を崩すようになった。
よくえづくし、胸が張って苦しいらしい。
微熱も続いているようで、
気怠そうにしていることも増えた。
毎日というわけではないが、
こうも頻繁に愛する奥さんが体調を崩すと
何か悪い病気なのではと心配になる。
ルキナは今までめったに体調崩すことがなかったから尚更。
とりあえずアズールは、
彼女母親であるルフレに相談してみることにした。



「ルキナさんはやたら酸っぱいものを食べたがったりしませんか?」
早速相談にきていたアズールは予想外の言葉にポカンとした。
そんなアズールにルフレは少々呆れながら、先の言葉を繰り返した。
「酸っぱいもの…」
言われてみれば、確かにルキナは最近酸っぱいものを要求する。
どうしてなのか以前訪ねたこともあったが、
本人にも理由は分からないらしかった。
「心当たりがあるなら、
今度はルキナさんも一緒に連れてきてもらえますか?」
「え…?」
訝しげに見つめるアズールにルフレは苦笑した。
「何となく予想はつきますが、
本人が一緒の時につげたほうが良いと思うんです」
ルフレの物言いと表情に、
アズールは言いようのない不安に駆られたが、
問いつめることはなく、すぐさまルキナの部屋へ向かった。
コンコンとアズールが控えめに部屋の扉を叩くと、
中からどうぞと簡潔な言葉が聞こえてきた。
今は体調が良いのか、声が元気そうだ。
「どうしたんですかアズール」
部屋に入ると、寝台で身を起こしているルキナが
柔らかい笑みを向けてきた。
ああやっぱり可愛いなんて思いながら、
近づいていく。
「最近ルキナよく体調崩すから、
さっきルフレさんに相談してきたんだ」
「そうですか…すみません、迷惑をかけてしまって…」
苦笑するルキナにアズールは慌てて否定する。
「迷惑なわけないよ!ルキナは僕の大事な奥さんなんだから!」
そう言うとルキナの頬に朱が差した。
嬉しそうに微笑むルキナにつられて、アズールも微笑む。
「ありがとうございますアズール。
素敵な旦那樣を持って私は幸せ者ですね」
笑を深めて言ったルキナを見て、
今度はアズールの頬に朱がさした。
「明日…ルキナの体調が良かったら
一緒にルフレさんの所へ行こう?」
「はい、アズール」
そういって二人は、
手を取り合いどちらともなく唇を重ねた。



翌朝アズールは真っ先にルキナの元へ向かった。
穏やかに眠る彼女を、そっとゆすり起こす。
ゆったりと数回瞬きをして、彼女の瞳ははっきりアズールを映した。
「おはよう、ルキナ。体調はどう?」
「おはようございます、アズール。
今日は大丈夫みたいです」
体をお越しながらアズールの問いかけに答えたルキナは、
少し照れくさそうに笑った。
アズールはベッドの端に腰掛け、
ルキナの手を握る。
「よかった。じゃあご飯食べたら、
一緒にルフレさんのところに行こう?」
ルキナが頷いたのを確認すると、
アズールは一度部屋の外へでた。
しばらくして
ゆったりとしたワンピースを着たルキナが部屋から出てきた。
「アズール、お待たせしました」
「うん、ルキナは今日も可愛いね!それじゃあ、行こうか」
アズールはさっと頬を赤くしたルキナの手を引いて、
ルフレの部屋へと向かった。





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