マイユニについて



「アイク?アイ…クって寝てるのか…」
ある春の昼下がり、久々に手合わせ願おうとアイクの部屋へとやってきたマルス。
彼が部屋に入り真っ先に目にはいったのがベッドのうえで規則正しい寝息を立てるアイクだった。
―アイクって寝顔可愛いかも…
マルスは横に座り起こさないようにその寝顔を眺める。
ふと、マルスは徐に立ち上がり、眠るアイクを起こさないように部屋を出た。






数分後妙に上機嫌で右手にウサギずきん、左手にカメラを持ってマルスは戻ってきた。
―(こんな貴重なシーンはなかなか見れるもんじゃないしね
マルスは起こさないように慎重にアイクの頭にウサギずきんをつけ、パシャパシャと持っていたカメラで写真を撮り始めた。
―あとでリンクやヒピットに見せてみよう
そんな事を考えながら撮った画像を確認するマルス。





確認が完了すると再びアイクの寝顔を眺め始める。
無論ウサギずきんはつけたままで。
そのまま眺め続け数分が経ちいつの間にかマルスは眠っていた。
その代わりにアイクが目覚める。
「…マルス?なんでマルスがここに…?」
横で自分に凭れるようにして眠るマルスを気にしつつ頭に手をやると
自分の頭になにかついているのがわかった。
「なんだ?……!!?」
はずして確認してみてやっとそれがウサギずきんだとわかる。
「何でこんなものが…?」
自分が寝るまえにつけた覚えはない。というか自分にそんな趣味はない。
「いったい誰が…?」
アイクは自分とマルス以外に誰かいないものかと部屋を見回してみる。(いるわけないのだが…)
するとマルスの横にポツンとカメラが置いてあるのに気付く。
「マルス…。起きろ、マルス」
気持ちよさそうに眠るマルスを起こすのは忍びないが、
マルスならきっと何か知っているとおもいマルスの肩をゆする。

「んぅ…。う?アイク?あれ、僕寝てた?」
「あぁ、ぐっすりとな」
「…ごめん」
「いや、別に良い。それより起きたらこれが頭に付いていたんだが…」
「あぁそれ?僕がやったの♪写真も撮ったんだよ!」
「!!??」
目を覚ましたマルスにさっそく質問すると意外な答えが帰ってきた。
「お前…が?」
「うん。アイクの寝顔可愛かったから思わず。可愛い悪戯だよ」
「…はぁ」
悪びれもせず飄々といってのけるマルスに深く大きなため息をつくアイク。
そんなアイクを見て何か変なこと言った?と小首をかしげるマルス。
「……」
「…アイク?」
「……」
「怒った?アイク」
名前を呼んでも返事を返さないアイクに怒らせたか?とマルスは少々不安になった。
「……」
「アイ…クうわぁ!何するのアイク!?」
無言のままのアイクにもう一度声をかけようと手を伸ばした瞬間…。
アイクは急に振り返りそのままマルスをベッドの上に押し倒した。
「仕返しだ…。」
「へ?」
「俺だけがうさぎずきんをつけて尚且つ写真まで撮られたというのは気にくわん」
淡々と言うアイクの手にはマルスが持ってきたうさぎずきんが握られていた。
「え…」
「お前もつけろ、写真も撮ってやる。」
アイクはにやりと妖しく微笑むと、マルスが逃げられないようがっちり組み敷いた。
「や、ヤダ!!僕絶対嫌だからね!?似あわないし!!」
「問答無用!」
「っ…!」
すばやい手つきでマルスにうさみみずきんを装着するとカメラを構えた・・・。
「……うぅ」
「覚悟しろ…」
ガチャッ
「……!?」
突然開いた扉に驚きつつそちらをみてみると、
リンクが呆然と立っていた。
「邪魔したな」
そう言うと、リンクはくるりと踵を返し部屋を出て行こうとする。
「ちょっ…!待って!ていうか助けて!!」
「誤解だ!だから帰ろうとするな!!」
マルスとアイクは必死に引き止めると
リンクはゆっくり振り返り冷たい視線を向け
口をそろえていった。
「お前ら、そういう趣味があったんだな」
「なっ!!断じて違う!!」
アイクはマルスの上から退きながら、
マルスはうさぎずきんを外しながらいった。
「安心しろ、二人が変わった趣味もってても俺はなんとも思わない」
「だから違うって言ってるだろう!」
マルスは顔を赤くしながら否定するも、リンクの目は相変わらず冷めている。
「それはそうとなんの用だリンク。」
「ん?ああ、そろそろ飯だって呼びに来たんだ」
「そうか…」
「もうそんな時間?随分寝ちゃってたんだね」
「みたいだな」
「ん。じゃあ僕達も行こうか」
「ああ。」
2人は仲良く手を繋ぎながら食堂へ向かった



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