マイユニについて



「お待ちしてましたよお二人とも!」
やって来た二人をルフレは満面の笑みで迎えた。
そのまま二人をソファーに座らせ、自分はその向かいに腰掛けた。
「えっとアズールさんから大体の症状は聞きましたが、
ルキナさんにもお聞きしたいことがあります」
先程と打って変わって神妙な面持ちでルフレは切り出した。
「アズールさんの前で少々聞きづらいのですが、
月よりの使者はいらっしゃってますか?」
「…いえ、1ヶ月ほどきてません」
赤くなりながら答えるルキナの横で、
彼女よりもさらに顔を赤くしてアズールは固まっていた。
そんな二人をしり目に、ルフレは続ける
「月よりの使者がいらっしゃっていないとなるとやはりあの可能性が高いですね…。
ルキナさん、お腹や胸がはるといった症状はありませんか?」
「言われてみれば……」
張っているような。
ルキナの返答を聞くと、苦笑気味に彼女を抱きしめた。
「お母様?」
「この年でおばあさんになるなんて複雑ですが、おめでとうルキナさん」
「え?」
ポカンとする二人に、ルフレはにっこり微笑んで告げた。
「ルキナさん妊娠してるんです。おめでとう」
「それは、本当ですか?」
「おそらく、間違いないと思います。
私がルキナさんを身籠もったときと全く同じ症状ですから」
「ルキナ!よかった、悪い病気とかじゃなくて!」
信じられないという顔をするルキナをアズールが抱き締めた。
「アズール…」
「すごいよルキナ!僕パパになるんだね!
なんか照れくさいな…ルキナは嬉しくない?」
抱き締めたままアズールは不安そうなルキナの顔を覗きこむ。
するとルキナはぶんぶんと首を振った。
「私も嬉しいです…ですが、少し不安で」
「大丈夫ですよルキナさん。私たちがついてます」
ルフレの言葉にアズールも力強く頷いた。
「話は変わりますが、アズールさん。
ルキナさんに無理をさせてはいけませんよ?
それと、しばらくは禁欲生活になりますが、大丈夫ですか?」
「もちろん!ルキナと赤ちゃんのためなら我慢します!」
二人の言葉にルキナは一人赤くなっていた。
彼女の胸を喜びと少しの不安が満たす。
(私が、母親。未来では考えもしなかったのに…。
未来にはなかった幸せを、この子が運んできてくれた…。)
そっと自分の腹をなでるルキナに、アズールが声をかけた。
「ルキナ、これから二人でクロムさんに報告に行こう?」
「はい、アズール!」
満面の笑みを浮かべながら、ルキナは差し出されたアズールの手を取った。





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