マイユニについて



数日後立ち寄った時の神殿で、
ルグレを父と呼ぶ少女マークにであった。
ルキナと同じように、
未来からきたようだがどうやら記憶喪失らしい。
父親が大好きなようで、
ことあるごとにルグレのもとにやってきては、
戦術の授業をせがんでくる。
「マークの父親好きは、ルキナに似たんのかな」
夜、天幕の中ルグレが隣で寝転ぶルキナに問いかけると、
ルキナはきょとんとした顔をして逆に聞き返してきた。
「私、あの子ほどお父様っ子ですか?」
自覚なかったのかと苦笑しつつそうだねとルグレは答えた。
ルキナはそうでしょうかと少し照れた様子で
毛布で顔を隠してしまった。
「ことあるごとにお父様お父様って。
マークと言い勝負じゃないかな」
からかい混じりにルグレが言うと、
今度は拗ねたような言葉がルキナから返ってきた。
「あまり意地悪いわないでください…!」
「ははっごめんルキナ。拗ねないで、
そんな君も可愛くて愛おしいと思ってるんだ」
そう耳元で囁くとルキナは耳まで赤くして
もう寝ます!と言うと完全にそっぽを向いてしまった。
そんな妻の様子に、
ルグレは小さく笑って眠りへと落ちていった。








‐おまけ‐



『姉さん!ルグレさん!娘さんを僕に下さい!!』
『アズール?!』
ある日娘が恋人として連れてきたのはルキナの弟であるアズールだった。
「僕、あの時のクロムの気持ちが分かった気がする…」
凄く複雑な気持ちだったと付け足したルグレの肩に、
クロムがポンと手を置き二人してうなだれたのだった



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テーマ「人外ファンタジー」
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