携帯獣やってて思いついたネタ(ガン種)
2013/11/20 02:49

「ふふ、イザークは可愛いなぁ」
部屋の中から聞こえたカガリの声に、
ノックしようと掲げた手が止まる。
硬直したままのアスランの耳に、
再び声が届いた。
「そんなに怒るなよ、
ちょっと気になって触っただけじゃないか」
扉の前に立ちすくむアスランの顔には微かに焦りが滲む。
触った?どこを?そもそもイザークはプラントに居るはずである。
訪問の予定など聞いていないし、ましてやここはカガリの私邸だ。
「シンはここを撫でられるのが好きなんだな?いくらでも撫でてやるぞ!」
今度はシンだと?!
どういうことだ?カガリが二人も男を連れ込んでいる……?
いやそんなはずはない。少なくともシンは彼女を良く思ってはいないのだ。
そんな彼が大人しく撫でられているわけがない。
きっと自分の聞き間違いだ。
依然として動けないまま、ぐるぐるとまさにハツカネズミ状態に陥ったアスランが、
意を決して再びドアを開いた瞬間―。
「すごいぞアスラン!一撃で相手を倒すなんて、流石アスランだな!!」
「え……?」
ソファーに腰掛け自分に背を向ける彼女から発せられた自分の名前に、
思わず間の抜けた声がでてしまった。
小さくても彼女にはしっかり届いたようで、勢いよく振り返ったカガリの頬は僅かに赤く色づいていて、琥珀の目は丸く見開かれている。
部屋を見回せば、イザークの姿もシンの姿も見あたらず、部屋にはカガリしか居ないようだった。
「アスラン?!いつから……!」
「『すごいぞアスラン!』あたりからだが……」
正確はもう少し前から声は聞いていたが……。
アスランが答えれば、カガリはさらにその頬を赤くしてうなだれた。
「で、俺が凄いってどういうことだ?」
「えっと、アスランじゃなくて……いやアスランではあるんだけど……。」
ますます訳がわからないと首を傾げるアスランに、カガリはため息をついて観念したように手に持っていたゲーム機を彼に差し出した。
『アスランは カガリの 指示を 待っている』
と上画面の吹き出しに表示されていて、青色の忍者風のカエルのようなキャラクターが出ている。
反対側には同じく青い猫のようなキャラクターが出ている。
下画面にはいくつかコマンドが表示されていて、カガリがプレイしていたのが発売したばかりのポケモンの新作であることを理解した。

「その、ポケモンにお前たちの名前つけてて……」
俯きぎみで言うカガリに思わず笑みが溢れる。
「つまりカガリは、ポケモンに俺の名前をつけて可愛がってたってことか」
「ばっ違……!」
真っ赤な顔で必死に否定するカガリに、
アスランはますます笑みを深めるのだった。

comment (0)



×
「#幼馴染」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -