いつものように出勤すると、休憩室で清掃員仲間なおばさん達が集まって、新聞を囲んで真剣に話し込んでいた。仕事の話ってわけじゃなさそうだし、なんだかただならぬ雰囲気だ。皆深刻そうな表情をしてどうしたんだろう。


「あの、何かあったんですか?」
「それがね、大変よ。ライモンシティの近くでプラズマ団が現れたらしいの」
「プラズマ団?なんですかそれ」


プラズマ団…なんという胡散臭い名前だ。思わず鼻で笑ってしまいそうになったが、おばさん達の目はあくまで真面目だった為自重した。


「やだほたるちゃん知らないの?ポケモンの解放がどうとか言ってるおかしな連中の事よ」
「ポケモンの解放って…」
「なんでも人間とポケモンは共存すべきじゃないって考えてるみたいなの」
「そうそう。手当たり次第トレーナーからポケモンを奪ってるらしいわ」
「物騒ですね」


おばさん達の話によると、そのプラズマ団?は人間の手からポケモンを解放する事を目的とし活動している、ポケモントレーナーを嫌悪している連中が集まった組織らしかった。どうやら人間はポケモンを縛り付けていると思い込み、トレーナーからポケモンを自由にしようと目論んでいるようだ。正直意味が分からない。人間とポケモンは助け合って支え合いながら生きてるのに。トレーナーではないけど、私とゾロアだってそうだ。


「ほたるちゃんも気をつけなさいよ。トレーナーじゃないけどゾロアちゃん連れてるでしょ」
「はあ…気をつけます」


そんな話をしていたのが三日前。確かにそのプラズマ団とやらは気に入らないし、そんな事件が多発しているなんてとんでもないとは思った。けどその時は自分にはプラズマ団なんて全然関係ないと思っていたし、気にもとめていなかった。人間て自分に関係なければ所詮そんなものだし、それでいいと私は思う。だけどそれはあくまで自分に関係なければ、の話だ。後からああすればよかっただなんて後悔した所で遅いのである。


18.物騒な噂






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