バスケ部見学


「……なんでオレらがあいつの部活に見に行かなきゃいけねーんだ」


「…オイラ、あいつのバスケしてるとこなんて見たくねぇ…うん…」


「そうだよね……ごめんね…飛段が私にしつこく見に来いって誘ってきたからさ…私一人で見学するのは嫌だから…」


私達は体育館の観客席にてバスケ部の見学をしていた。

飛段がバスケ部に入ってたなんて…意外すぎる…


「……でも、あいつなかなか上手くね?」


「……認めたくねぇーけど、上手いな…うん。」


「あっ!飛段が手ふってるよ!」


「無視しようぜ」


「「うん」」



飛段は手を振ったあと、無視されて怒ったのか急にドリブルを始めてゴールに向かって走り始めた。



「……何をする気だ!?」


「もしかして…」



すると、飛段は豪快にダンクシュートを決めたのだった。



「飛段って……あんなにバスケできるんだ…」


「……まさかダンクするとはな…」


「でも見ろよ、あいつの顔!スッゲードヤ顔してこっち見てるぞ!うん!」



そして、ピーと笛をふくような音がし休憩タイムになったらしく、バスケ部の皆さんは水を飲み始めたりしていた。



「私、アイス買ってこよっかなー」


「奢れよ」


「やだね」



私はサソリと他愛ない会話をしていると飛段がこっちにやって来た。



「よぉ、オレのダンク見たか?すっげーだろ」


「すごかったけど、なんかムカつく」


「それな、うん」


「オレも同意見だ」



飛段は私の席の隣にドカッと座り、私を挑発的に見る。



「どうだよ、彩ちゃん…オレのこと見直してくれた?」


「少し見直したけど……」

「じゃあ、オレと付き合っちゃう?」


「無理、絶対にやだ」


「飛段……テメェ…彩に何てこと言ってんだ!うん!」


「うるせぇ、童貞野郎」


「なんだと!?もう一回言ってみろ!うん!」



私は呆れてサソリの隣に座り、二人の喧嘩を無視した。



「……あきれちゃうね。」

「……だな。」



私とサソリは観客席からボーッとしながら上から眺めていると、急に笛の音が鳴り出し、皆一斉にざわつきだす。



「……?……休憩みじけーな、なんだよ一体…」



そう言って、飛段は観客席から去り、一階のコートに戻って行った。


すると、マダラ先生がコートにやって来てバスケ部員を集めている。



「ねぇ!マダラ先生だよ!なんでここにいるの!?バスケ部顧問じゃないよね!?」


「何しに来やがったんだ…あいつ…」


「何か嫌な予感がするぜ…うん」



私とサソリとデイダラは身を乗り出してマダラ先生の様子を見ていた。



「……これからバスケ部の顧問をすることになった。今年はインターハイで優勝以外は許さないからな……」



バスケ部の方々は凄く引きつった顔をして、先生を見ていた。

私はマダラ先生に向かって手を振るが、完全にスルーされてしまった…



「あいつ、自分の名誉のことしか眼中になさそうだな。」


「まったく嫌なヤローだぜ、うん!」


「いいなぁ…飛段……先生に色んなことを教えてもらえるんだ…」



すると、飛段は先生に向かって挑発を始めた。



「なんだよ!急に出てきて…インターハイで優勝以外は有り得ないだ?笑わせんじゃねーよ!どーせ、バスケの知識も持ってねぇくせによ」



私達はギョッとして飛段を見る。



「あいつ、あんなこと言って大丈夫なのか?」


「あいつにあんな口がきける奴は飛段ぐらいしかいねーだろ、うん」


「飛段……許さない…先生にあんな口をきくなんて…」


すると、マダラ先生はバスケットボールを持ち、いきなりドリブルをし始め、ゴールに向かって走り出し…ダンクシュートをした………が、それだけでは止まらず、ゴールのリングを破壊してしまった。



「これができてから、文句を言え……」



そう言ってマダラ先生はコートから去って行った…



「キャアアア!!カッコいい!!今の見た!?」


「あいつの身体能力ヤバくねーか…うん…」


「見ろよ、あいつ固まってるぜ…」



飛段を見てみると、口を開けて固まっていた。



「今度からバスケ部のマネージャーやろっかな。」


「……止めとけ、大変だぞ…見学だけにしとけ」


「…そうだね!!じゃあ、今度からカメラ持ってこよ!」


「……懲りねぇやつだな…うん…」



こうして、楽しいバスケ部見学は幕を閉じたのだった。



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