「ダイゴ私の事嫌いでしょう」

不意に目の前のソファーに座って本を読んでいたなまえが淡々とそう呟いた。別に不機嫌な様子でもないし、それはまるで「今日は寒いからシチューにしようか」と問い掛けるような、そんな口振りだった。僕は磨いていた石を丁寧に机の上に置き、なまえに視線を向けた。なまえは返事を急かすでもなく、本を読みながら僕がどう返事をするかを窺っていた。

「何でそんなこと言うんだい?」
「質問を質問で返すなんて卑怯だよダイゴ」
「あはは、ごめんごめん」
「で、私のことが嫌い?」
「嫌いな訳無いよ、僕はなまえが大好きだよ。」
「へー。そりゃどうも。」

なまえは照れるでもなく、少しだけ安堵したような表情を浮かべて返事をした。彼女が突拍子もないことを言い出すのはいつもの事だけれど、それでもいきなりこんなことを言い出したことは今まで一度もない。僕は疑問に思ってなまえの隣に座り、彼女が読んでいた本をなまえの手から奪った。奪われる際にしっかり栞を挟んだところがしっかりしているなまえらしい。なまえは少し不機嫌な顔をしたけど諦めたようにため息をつくと「何?」とでも言いたげな表情をした。僕はそれに苦笑いを浮かべながら彼女に問う。

「どうしてそんなこと聞くんだい?」



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何でなんでしょうね(行き詰まった)



2012.10.22

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