「返してよ、私の日常を」
目の前の赤い髪の彼を睨みながら震える声で叫んだ。彼は、ヒロトはばつの悪そうな顔をして私から顔を反らした。狡いよ、ヒロトは狡い。
「晴矢と風介とリュウジとヒロトと、ずっと5人で笑いあって過ごしていたかったのに。あんな石のせいで、私の願いは粉々にされた。風介と晴矢はどっかに行っちゃうし、リュウジは毎晩魘されてる。誰がこんな未来望んだっていうのよ!」
勢いに任せて叫べば、ヒロトは酷く泣きそうな顔をした。なんでヒロトがそんな顔するのよ、泣きたいのはこっちだっていうのに。
「エイリア石を使って良いことがあったのはヒロトだけ、私達には良いことなんて何一つ無かった。これから先だって、絶対に無い。」
私はひとつ間をおいてから、呟いた。
「返してよ、私の日常を」
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本当はヒロトさんだけが悪いわけじゃないと知っていてもヒロトさんにあたっちゃうなまえちゃん。
(まぶたから涙を流しているあなたがとても憎らしくて)
title by臍
2012.03.08