短編・企画 | ナノ
聖痕主(ユーリの場合)



私にとって、もはや保健室は『相談所』兼『診療所』と化していた。

ぁ、夜は『飲み屋』か・・

とにかく、何かあれば私は麗さんに相談している。


「先生、私、なんだか最近体調がおかしいんです、、」


一応、アトスの保護を受けているからといっても、気軽に病院に行くことのできない私は、放課後、いつものように麗さんのいる保健室へとやってきていた。

大抵の傷とかは、自分の術で治療ができるけど、、
さすがに風邪だとかは、自分でなんとかしなくちゃいけない。。

「毒」ならば、簡単に治癒できるが、、

今いるこの世界では、ハッキリいって不要なモノである・・・。



「なんだ、風邪か?あたしに移すんじゃないよ?」


・・・まぁ、麗さんは、保健医だからね。
医者とは違うし、、
だから、この反応は正しいと思う。。

ちょっと、傷つくけど・・・


「・・・まぁ、熱っぽさはあるんですが、なんか風邪とは違って鼻水出ないし、のども痛くないしで・・・」


ホント、何なんだろ・・と、マグカップ(保健室に私物を置いている私・・)の中のコーヒーを一口啜った。
何気なく言ったその言葉に「・・・・お前、まさか・・」と、コーヒーを啜る手を止めてギョッとした表情をする麗さん。
私は、思わず「?」を浮かべてしまった。


「・・・最後に生理がきたのはいつだ?」
「ここ最近は、不定期で・・最後はいつだったかな・・?」
「・・・まさか、妊娠しているんじゃないか?」
「ぇ、、だって相手居ませんし・・」


そうである、、

確かに恋人とか欲しいとは思うけれども、如何せん周り(クラス)にいる男子たちは、5歳も年下である。
生憎と、年下には興味はない。



「ほら、いつも愚痴るあの、ユーリ=野田 神父とか、、」


・・一体、麗さんは何を言っているんだ・・!?
私とユーリさんが付き合う・・!!?
冗談じゃない・・!!!


・・・・でも、もし私が本当に妊娠しているのだとしたら・・・

一体いつ・・・?



「・・・ぁ、、」
「なんだ?思い当たる節でもあったのか・・?」


・・・・いや、でも、、まさかそんな・・!!



* * *




夕飯後、課題を終えた私はユーリさんの自室へとやってきていた。


「ユーリさん、、お聞きしたいことが・・」
「おや、三四さん!今日はどうされました?今日は講義も無いのに珍しいですね!」


ノックしてユーリさんの自室に入ると、いつもの席に案内され、そして、紅茶を出された。



「さて、何でしょうか?」


向かいの席に座りニコニコと胡散臭い笑みを浮かべて、紅茶を啜るユーリさん。
私は、出された紅茶を飲まずに端へ移動させながら「単刀直入に言います。」と、言葉を続けた。



「いつ、私に種付けしやがったんだこの野郎」


いつもより(?)口が悪いのは、この際だから許してほしい。


「おやおや、心外ですねー。私は神に仕える身ですよ?」
「そういうのは、去勢してから言ってください・・!!」
「ふふ、何故私を疑うのですか?」



また胡散臭い笑みを浮かべながらカップを置き、椅子から立ち上がって私の横へ移動したユーリさん。
私の顔を覗くようにして、椅子の肘掛に手を掛ける。

・・・・顔が近い。


必死に後ろに下がろうにも、一人掛けの椅子の為に、顔を仰け反るのが精一杯である。


「・・・ユーリさん、講義の時、私の紅茶に睡眠薬を混ぜていますよね?」
「おや、気が付いていましたか」
「朝になると、必ず自室のベッドにいるし・・。一体、私の寝ている間に何をしているんですか・・!!」


私の髪の一房を遊びながら、表情を崩さないユーリさん。
つか、話聞いてますか・・!?

ふと、手を止めて私に視線を合わせながら髪に口付ける。



「知りたいですか?」



当たり前だ・・!!


「では、失礼しますよ」と、私を横抱き(お姫様抱っこともいう)したユーリさん。
いきなりの事でドキドキ(断じてときめきのドキドキじゃない・・!!)してしまったが、、
進行方向が彼の寝室だと知って、一瞬体が固まった。


・・・ぇ、、マジか・・ッッ!?


恐る恐るユーリさんを見上げれば、相変わらずの胡散臭い笑みを浮かべてる。
心無しか、鼻歌が聞こえてきそうだ・・


ベッドが見えてきて、いよいよ身の危険がヒシヒシと感じて、足をバタバタと暴れ、抵抗をする私。
しかし、男性の割に華奢なユーリさんには、どこにそんな力があるのか、激しく暴れたところでビクともしない。


確かに私が寝ている間、何あったのか知りたいが、、
何も、口で説明してくれればいいのに・・!!


抵抗も虚しく、ドサッとベッドの上に落とされた。
突然だった為、受け身も満足に取れずそのまま上にユーリさんが覆い被さる。
両腕も頭上で一つにされてしまい、いよいよ私の頭の中のサイレンが鳴りっぱなしだ・・!!


「・・・・ちょ・・」
「今夜は、止まりそうにありませんよ、、三四・・」



そう、不敵に笑うユーリさんに囁かれて、、

私と彼の距離は、ゼロになった、、、





* * *







「・・・・・・夢オチ・・」


朝、目が覚めると、汗びっしょりだった。
妙にリアルであったが、あれは全て夢だったようで・・・


ちなみに、生理はそれから数分後に来た・・

おわり


<あとがき&反省>
取りあえず、誰かに「種付け」発言をさせたかっt(殴)

ギャグ要員のリっちゃんに最初は言わせようと思っていたんですが、先にPAPUWA夢が完成してしまい断念・・
ジョージも考えたが、ジョージ夢はどっちかというと甘めになってしまう傾向があるため・・・

結果、ロココの連載主に言わせました!!(爆)
消去法デス・・・


でも、書いていて楽しかったですww




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