「千晴ー、消しゴム忘れちゃったから今日一日予備の消しゴム貸してー・・」
私とした事が、消しゴムを忘れてきてしまった。
うーん、やっぱり昨日絵描いていたからかなー・・。
「いいよ、ほい!」
「さんきゅー・・」
「ねッ!三四ちゃん!!」
「ぬぉ・・ッッ」
千晴から予備の消しゴムを受け取ると、前の席の人と話をしていた女の子にいきなり抱きつかれた・・!!
な、なんで・・ッッ!!?
「・・おい、ちー、藤崎さんが困っているぞ」
「うるさいな、加藤!・・えへへ、いきなりごめんね〜、あたし、榎本ちえ!!三四ちゃんと仲良くなりたくて!!よろしくね!!もう、第一印象からしてとっても可愛いくって・・!!思わずむぎゅーてしちゃったよ〜!メンゴメンゴ〜!」
と、握手を求められた。
反射的に思わず握ってしまう。
自己紹介のあとに委員決めした時、クラス委員になっていた子だから、名前は覚えていたけど・・まさかこんなハイテンションな子だったとは・・!!
「こちらこそよろしくね!」
にこりと笑みを返すと、榎本さんから「キュン」て効果音(?)が聞こえて、彼女の顔がだんだん締まりのない顔になって行くのが分かった。
「・・榎本さん?」
「ぁあ、ちえでいいよ!どうしよ!三四ちゃん可愛過ぎる・・ッッ!!」
「・・あははは」と苦笑を浮かべながら「どうしよう?」と千晴に目配せすると、千晴も私と同じ様に苦笑していた。
ここまでハイテンションな女の子は初めてだから・・・。
「ごめんな、藤崎さん。こいつ昔から変態で・・」
「もう!加藤は黙っていてよ!!」
「ちえちゃんと加藤くんは幼馴染みなの?」
「幼馴染みというか、腐れ縁!家は近所じゃないんだけど、幼稚園からずーっと同じクラスでね・・」
どーりで仲が良い筈だよ!
「だから、一緒にクラス委員なんだね」て加藤くんに言うと「こいつの暴走を操縦出来るのは俺ぐらいだしな」と不適な笑みを見せていた。
メガネが逆行になったよ・・!?
「三四ちゃんと神崎くんは?まだクラス始まったばかりなのに仲良いけど」
「私と千晴は家も近所で幼馴染みなの」
「そ!そんで、小学校からずっと同じクラス!!また、記録更新だな」
「そうだね」
「なんか、あたし達と似てるね!!」
「そうだね!」と返すとチャイムが鳴って、一限目の担当の先生が教室に入ってきた。
お友達が増えました。