私は、高柳さんが好きです。
真夜さんの紹介で初めて会った時は、中肉中背の普通の好青年だな、という印象だった。
私が学校で階段を下りるとき、踏み外してしまった所を高柳さんにお姫様抱っこで助けてもらったのがきっかけで好きになった。
恐怖のドキドキと側にいる異性が合わさると、恋に落ちると何かで読んだ事があったけど・・まさに、そんな感じだった。
「宗一郎様!今日は、休憩の時の為にお弁当を作ってきました!!」
「・・・後でな」
「はい!」
だけど、いつも高柳さんの視線は、自然と亜夜ちゃんを追っている。
だから、いつまで経っても彼の瞳に私は映らない。
・・・・分かっている。
「・・・高柳さんは、亜夜ちゃんが好きなんですね。」
「ぇぇ!!?なななんで、三四ちゃんがそんな・・ッッ」
「見ていれば分かります」と出来るだけ微笑みながら言うと、照れくさそうに頭を掻く高柳さん。
あーぁ・・、やっぱり、亜夜ちゃん相手なんて叶うわけないよなー・・。
だって、私、亜夜ちゃんに比べたら、胸ないし(これでもC-Dなんだけど・・)、背も低いし(150台だし)、それに、細くない(標準体型)。
それに、ちょっとばっかし剣ができると言っても、全然弱いし・・柔剣部に比べたら当然弱い。
真夜さんには、「お前はそのままでいいのじゃ」と全然鍛えてくれないし・・・。
これは、もう失恋確定かなー・・。
「三四ちゃん?」と声を掛けられて慌てて顔を上げると、困った顔の高柳さんがいた。
しまった、ボーッとし過ぎた。
「すみません。・・・あの、私バイト行きますね。失礼します。」
なんだかもう高柳さんの顔を見ると泣きそうになってしまいそうで、お辞儀をして、校門まで走って行った。
バイトまでまだ時間あったんだけど、別にいいかな。
近くのゲーセン辺りで時間でも潰そう。
後ろから「三四ちゃん、待って!!」という高柳さんの声が聞こえた。
大好きな高柳さんの声。ホントは足なんか止めたくないのに、、身体は正直らしく、足を止めてゆっくりと声の方へ振り返った。
「はい、これ。バイトの休憩時間の時にでも食べて。」
高柳さんに渡されたのは可愛い包みのお弁当だった。
ピンクで、うさちゃん・・・
「・・・これ、高柳さんの手作りですか?」
「うん、本当は、亜夜ちゃんにあげるつもりだったんだけど・・ね・・。」
「・・・・。」
一瞬、頭を鈍器で殴られたような感覚がした・・・。
そうかそうか、本来なら亜夜ちゃんにあげるお弁当だった訳ですか・・。
でも、亜夜ちゃん凪くんにお弁当作って来てたみたいだしね。
イコール高柳さんのは食べないかもしれないですもんね・・・。
「・・・ありがとうございます!あとで頂きますね!!」
「三四ちゃんの料理には劣っちゃうとは思うけど・・。ありがとう」
優しく微笑んで来る高柳さんに思わず見惚れてしまった。
告白しても玉砕決定なんだもん。
だったら、今まで通りに思うだけで十分かな。
いつか、私も元の世界に帰っちゃうだろうし・・。
それまでは、彼の側で笑っていたい。
<あとがき&反省>
天上天下は9巻までしか読んでなかったけど、、高柳先輩がマジ好きでした!
もう漫画も終わってしまったようで、最後がどうなったのか凄く気になるので、いつかは読破したいです。
実は、トリップネタで凄く書きたいお話・・!!