「飛行機より時間は掛からないが・・・今回は、ハードな道だぞ。」
「ぇ・・・」
「まぁ、何事も経験だ。」
少し顔を青ざめて言った父に洋間に連れてこられた
・・なんだろう・・。
父のこういう顔をみるのは、グリンゴッツ魔法銀行トロッコに乗った時以来だ。
思わず私は、クリスマスに祖父からもらったポーチをしっかりと握り締めた。
今回の私の荷物はこれだけである。
ちなみに、この中にシキがはいっているバックもいれてある。
このポーチをもらった瞬間、ドラ●もん好きな祖父が、とうとうここまできたか・・と内心思った。
「四次元ポーチ」である。
ポケットじゃない。
ポーチである。
休暇中に祖父に聞いたけれど、意外と簡単な魔法がかけられているとか。
でも、まだ試作の段階らしく、入れられるものにも限界があるらしいから「四次元じゃない」らしい。
と、話がそれてしまった・・。
祖父と祖母がニコニコと見守る中、私は父から煙突飛行の説明を受けた。
途中2回ほど、経由しなくてはいけないらしく、最終目的地は「漏れ鍋」らしい。
・・・そういえば、漏れ鍋にも暖炉があったな・・。
「じゃあ、##NAME1##から先に行きなさい」と父に背を押されて私は緑の炎の中に立ち、父、祖父、祖母が見つめる中「漏れ鍋」と言った。
例えるならば、とても長い滑り台。
そしてあっという間に明るくなったかと思えば、ドスンッッとモロにしりから落ちた。
「痛い・・・」
尻を摩りながら、立ち上がって周りを見渡す。どこかの廃屋のようだ。誰もいない。
「うわっ、、と・・」と、暖炉から父の声が聞こえた。
こけそうになったようだ。
「ああ、三四。ちゃんと来れたみたいだな。」
「うん」
父の方へ体を向けて頷いて気がついた。
どうしてだろう。
私は、灰だらけなのに、父の服は綺麗だ。
煤なんてついてない。
「さて、もう一回中継点があるからな。」と父は、灰だらけの私の服を軽く払いながら、頭を優しくなでてくれた。
今度は、ちゃんと綺麗に着地しなくては・・。
意を決して、私は再び「漏れ鍋」と呟いた。
* * *
今度こそは・・!!と、光が見えてくると、私は足に力を入れた。
しかし、意外と足元は遠かったようで、、ズザザザ・・・と滑って、結局尻餅をついてしまった。
くそぅ・・・・
これで、尻を着いたのは3回目・・・。
さっきも失敗した。
やっぱり、スカートで来るのは間違っていたわ・・!!
お気に入りの毛糸のパンツが灰まみれじゃないか・・!!
小さくため息をついていると「おぉ!ミヨちゃんじゃないか!!」とトムさんに声を掛けられた。
何はともあれ・・・
無事に漏れ鍋に着きました・・・。
トムさんに鍵を貰った父は、部屋に着いて少ない荷物をテーブルに置いてベッドにダイブしていた。
顔色が少し悪い・・。
さっき、トムさんが「アキト・・、お前さん煙突飛行苦手だったんじゃ・・?」という言葉を聞いて納得した。
なんだか私に付き合わせてしまったみたいです、、ごめんなさい、父さん・・。
でも、煙突飛行の使い方を知ったから、これで次からは一人でも大丈夫です。
シキを鞄から出して私は一つ息をついた。
<あとがき&反省>
四次元ポーチはハー子さんから