ハリポタ | ナノ
20



「三四。イラクサには棘があるから気をつけなさいね。」
「・・・了解です。」
「全部採ってから日干しにするから、終わったらお昼にしましょう。」
「・・・やった・・!!」

夏休みの初日に、殆どの宿題を終わらせた私は、家では祖母の暇があえば薬草学や魔法薬の授業を受けていた。
暑い中での薬草摘み。

まじでしんどいです・・・。

アルバスの、「涼しくなる呪文」をなかなか覚えられないからこんな目に遭っているんだけれども。
だって、あれ意外と複雑で難しいんだもん・・・。


籠に積んだイラクサを日干し用の大きなタライ?ザル?に全てあけて、満遍なく平らになる様に伸ばす。
こんなもんかな、と、汗で濡れた前髪を腕で拭い、大きな麦わら帽子のつばを上に上げて青い空を見た。

天気良過ぎだろコレ・・・。

「さて、お昼にしようね」と言う祖母の後姿を見て、慌てて籠を回収し、追う様に山を下りて行った。


「ただいまー!」と、家に着くとアルバスが祖父と麦茶を啜っていた。
二人で扇風機を独占である。
ちなみに、古い家なのでエアコンというものは存在しない。

我が家は、『扇風機』か『団扇』。

でも、昔の家の造りて夏は涼しく出来ているから、そこまで暑くはないんだけど、冬の方がかなり酷いかなー・・・。
部屋の中は暖かいんだけれど、廊下とか外と同じぐらい寒いから・・。(本当に、家の中?て思ってしまう。)

「ミヨ」と、アルバスに名前を呼ばれて、ちょいちょいと私に手招きをした。
祖母との昼食の手伝いを中断して、私はアルバスと祖父の元へと近づく。


「さっき、着いたみたいでな。皆、飛び疲れておったぞ」
「ぇ?―――・・・あー・・」


二人の足下には、金タライいっぱいに入った氷にがっつくフクロウ達の姿があった。
暑くて氷が美味しいのか、ガツガツ突っついている。
たぶん、皆からの手紙を運んで来てくれたのだろう・・。

遠くから遥々と・・・、お疲れ様です。

「先に受け取ったぞ」と、祖父から手紙の束を貰って、一つ一つ確認した。
アンジー、アリシア、双子、、ぁ、チャーリーとパーシーのも一緒か・・で、セドリック、と・・・。

これは、返信が大変そうだ・・・。
手紙を運んでくれたフクロウ達も疲れているみたいだし、今日の夜までに返事を書いて、明日運んでもらおう。

「三四や、ご飯が出来たから運ぶの手伝っとくれ。」
「はーい!お昼ご飯、アルバスも食べていくの?」
「勿論じゃよ!フミの作るご飯は美味いからの!!」
「じゃあ、アルバスも配膳手伝ってねー」
「・・おぉ・・ミヨは、年寄り扱いが酷いのぉ・・」

ホント、都合の良い時だけ年寄りになる・・・。
全く、商も無い、じいさんである。




* * *




夕方になり、アルバスも帰り、私は居間で皆の手紙の返信を書いていた。
あんなに氷にがっついていたフクロウ達は冷たい縁側でスヤスヤ眠っていた。

そうか、今の内に体力温存か。

よし、早い所書いてしまおう。
父が帰って来たら、2年生で習う授業の予習が待っている。
出張中の母が帰って来たら、いつものように、英語の勉強も待っているし・・・。


なんだろ、私の夏休みは、勉強尽くしじゃないか・・!!

前の私は、勉強なんて大嫌いだったけれど・・・不思議と魔法の勉強なら楽しくって自然と机に向かってしまうから不思議だ。

あと、若いっていうのもあるのかもしれない・・・。


いいね、ホント。若いって良いわ。



「三四、夕飯の手伝いお願いしてもいいかい?」
「はーい!今夜は、何?」
「お昼は、素麺だったからね。青椒肉絲の素があったからそれにするかね」
「はーい。」

おばあちゃんが素を使うなんて珍しい・・。
でも、青椒肉絲大好きだから嬉しいな〜。




こんな繰り返しで私の夏休み生活は、過ごしている。




「ぉ、アリシアは家族で旅行に行ったのかー・・いいな、旅行ー。」

海外旅行じゃなくても、普通に海とか行きたい。
家の裏が山だから、山よりも海がいい。

・・・まぁ、そもそも泳げないんだけどね・・・。




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