ハリポタ | ナノ
10



キングズクロス駅に着くと、私は鞄の中に入れられてジョージがその鞄を持った。

い、意外と揺れるのね・・

皆で列車を下りると「良いクリスマスを!!」と言ってアンジーとアリシア、リーもそれぞれの家族の所へと行ってしまった。
少ししてチャーリーが誰かを見つけたのか手を挙げると「「パパ!」」と、双子が叫んだ。視線を上げるとアーサーおじさんが「おかえり、皆!」とハグをし始める。


「おや?そう言えば、アキの娘のミヨちゃんは、どうしたんだ?」
「「ここだよパパ!」」


と、元気よく双子に紹介された私=猫は、アーサーおじさんが私を見る瞳にビクビクしてしまった。


「な・・・なんと・・!!」
「本当に可哀想で・・父さん、こいつらを叱ってくれよ!!」


双子の脳天に軽く拳骨を落としながら言うパーシーは、父親であるアーサーのお叱りの言葉を今か今かと待っていた。


「なんと、可愛い猫ちゃんなんだ・・!!」
「にゃ・・」
「・・・父さん・・」
「父さんのことだからそうなるとは思ってた・・・。」


ニコニコしながら「「そうでしょ?」」という双子に、溜め息をつくパーシーとどこか諦めているチャーリーがここに居た。




* * *





顔を鞄の中に戻してウトウトしていると、「ミヨ着いたよ」と、(多分)ジョージに声を掛けられて、猫の(私の)顔が通るぐらいまで開いた入口から顔だけ出した。
なんとも面白い家である。

いかにも純和風で日本家屋な私の家とは違って、なんというか、縦に長いお家。

家に入ると、色んな物が自分で動いていた。
だぶん、そういう魔法を掛けているのだと思うけど・・面白い。
編み物の魔法は、クララ先輩に教えてもらったのと一緒のヤツかな?とか考えながら、部屋を見渡していると「まぁまぁ、お帰りなさい!」と、モリーおばさんがやってきた。
ホグワーツから帰って来た兄弟に順番にハグをしてキスをしている。


「・・・あら?ミヨちゃんは?」
「「ここだよ、ママ!!」」


と、鞄から顔だけを出している私をモリーおばさんの前に出された。


「あらあら、可愛い子猫ちゃんね〜、・・・で?ミヨちゃんはどこなの?」


モリーおばさんの笑顔の圧力は凄まじかったです。






* * *






「なるほどね〜・・OK。分かった」
「「ありがとー!ビル!!」」


私が舐めたキャンディーに複雑な魔法を掛けていた双子は、自分たちでは私を治すことが出来ず、モリーおばさんに「ミヨちゃんを元の姿に戻すまで、クリスマスは無しです!!」とこっぴどく叱られ、私を元の姿に戻す為に、丁度帰省していた「兄貴」に兄弟揃ってお願いしていた。
『ビル』という目の前の男性は、ウィーズリー家の長男だそうだ。
(視界が低いからよく顔が見えない。)

しっかし、マジで兄弟多いな・・。

私を、床に下ろしたジョージは、私に大きめなバスタオルを被せてきた。
見えないよぉ・・、と、バスタオルからぬけ出そうとするけれど、「大人しくしていろ!」とフレッドにまで怒られてしまった。
「んじゃ、いくよ?」と、ビルが呪文を唱えると、見る見るうちに私の身体が大きくなっていく。

・・・て、


「・・!!なんで私、裸なの!?」
「も、もどったー!!」
「わぁ!!ミヨだぁぁ!!」


と、全身が隠れる大きなバスタオルで身体を覆い隠すと、今までずっと見守っていてくれたロンとジニーに抱きつかれサンドイッチ状態にされた。

うぅ・・今度は、身動きがとれない・・・

「やれやれ、一件落着かー」とチャーリーが呟くのを合図に、パーシーが自分の部屋へと戻っていった。


「ごめんごめん、ミヨ。」
「はい、これが着替え。」


「バスルームは、突き当たりの階段を下りてすぐだから、ついでに風呂も入って来ると良いよ」と、ジョージに言われて、「じゃあ、挨拶はそれからだな!」と、ビルさんとチャーリーにロニとジニーを引きはがしてもらった。

バスタオルの上にコートを羽織ってバスルームまでジニーに着いて来てもらう途中、モリーおばさんに「まあまあ!ごめんなさいね。私の子供達が」と優しく抱きしめてくれた。




バスルームの使い方が分からなかった・・!!



「も、もりーさぁん・・!!しゃ、シャワーてどうやって使って・・・、、ぎゃ・・、緑色の液体が出て来た・・!!?」
「ぁぁ・・それは違うの!じゃぁミヨ、一緒に入りましょう!!」

・・・ジニーさん。
お手数お掛けします・・・。






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