図書館で、また新しい「動物もどき」関連の本を借りて来た。
マダムピンスが呆れた顔で手続きをしてくれたが、借りてしまえばこっちのもんだ!!
いいの!!私は、アニメーガスに興味があるの!!
さて、部屋に戻ってゆっくり読もう!と、ホクホクしながらと廊下を歩いていると、廊下の曲がり角で誰かにぶつかった。
「うっ・・」
「・・・いったー・・、ごめんなさい・・!!急いでいて」
背が高かったから、てっきり男子生徒かと思ったけれど、聞こえて来た声は女性の声でとてもびっくりした。
起こしてもらって、顔を見るとやっぱり女の先輩だった。
「本当にごめんねッッ!!」と、先輩が謝ると髪の色がコロコロと変って思わずビックリした。
その後、先輩は直ぐに走っていってしまった。
あの髪なんだったんだろ・・・。
魔法の世界だものね。
なんでもありよね・・・?
気を取り直して、部屋へと足を進めようとすると、「そこの君」と、後ろから男性に声を掛けられた。
振り向いて、首元を見て赤いネクタイだ、と思って少し安心した。
なんせ、知らない男子生徒に声をかけられるのは、未だに慣れていないから。
でも、同じ寮の人だったらまだなんとか・・・いや、恐いけど・・。
仲の良い男子とかなら平気なんだけどねー・・
視線をかなり上に上げて、声をかけて来た彼の顔を見ると、これまたなんともハンサムで、どこか大人っぽく感じた。
これは、確実に上級生だなー・・と、ちょっとビクビクしてしまう。
それが顔に出てしまったのか、目の前の彼は、フッと優しい微笑みを見せ、私に近づき視線を合わせる様に腰を屈めてきた。
「・・・・えっと、私ですか?」
「そう、君さ。いつもクィディッチの練習の時に差し入れを持って来るよね?」
「あ、はい。」
視線が一緒になったからか、ますますドキドキしてしまう。
というか、私の目の高さに合わせて腰を屈めるって、どんだけ身長差があるんだか。
「いつも美味しいお菓子を有り難う。前からちゃんと、お礼をしたかったんだ!」
「ぇ・・、いえいえそんな・・。」
「ホント、たいした物じゃないのに・・!!」と、手を出して胸の前で振ると、彼は笑顔で「本当、毎回美味しくてさ」と私の頭を撫でて来た。
・・・そんな事無いのに・・。
特に前回のお菓子は、私にしては珍しく失敗した物を差し入れとして出してしまって、失敗したなー・・と反省していた所だった。
やっぱり、読書しながら料理をするのは止めておこう。
まぁ・・あれは、焦げた所をココアパウダーでなんとかごまかしたから良かったのだけれど。
二度と、本を読みながらお菓子作りしません・・!!
「オリバー!!探していたんだ・・・て、珍しいな。ミヨも一緒か?」
「・・・ぁ、チャーリー!」
私が、チャーリーの名前を叫ぶと、オリバーは私の頭から手を離して、元の姿勢に戻った。
おう・・、やっぱり背が高い。
たぶん男子の平均ぐらいだとは思うけど・・。
チャーリーが彼に「何を話していたんだ?」と聞くと「差し入れのお礼を言っていたんだ」とニコニコと話していた。
クララ先輩の時も思ったけれど、グリフィンドールのクィディッチのチームメイトてみんな優しくていい人だよなー、と思う。
差し入れをする私の事を覚えていてくれたり、キチンとお礼の言葉をくれるから。
・・・・そういうの恥ずかしいから、別に気にしなくても良いんだけどな・・・。
嬉しいんだけどね!
「そうそう!オリバーは、俺が卒業した後のキャプテンになるんだよ。」
「・・・おりばー?」
「そういえば、紹介がまだだったね!僕は、グリフィンドール寮4年オリバー・ウッド。クィディッチでキーパーしているんだ。」
「よろしく!」と握手を求められて、私はおずおずと右手を出して握手を返した。
「グリフィンドール寮2年、ミヨ・フジサキです。こちらこそ、よろしくお願いします」
「ふふ、別にそんなに畏まらなくても良いよ!チャーリーを呼ぶみたいに気軽にオリバーと呼んでくれ!」
「・・・はい」
・・・最初、オリバーを見た時の印象は、爽やかで優しそうな好青年と言う感じだったけれど・・
なんだか彼って・・・
「チャーリーの卒業は、我がグリフィンドールにとってかなりの痛手だが、、後輩達とともにグリフィンドール寮にクィディッチの優勝杯を持って来るさ!!」
「ははは・・・まぁ、今年いっぱいは、俺がチームをまとめるから、来年は頼んだぞ!!」
「ああ!勿論だ!!」
オリバーて実は、、
熱血野郎・・?
チャーリーとクィディッチの話をしている時、なんだか凄く興奮しているんだけど・・
しかも、だんだんチャーリーもオリバーの話についていけなくなったのか苦笑を浮かべて、私に「ヘルプ!」と視線を投げて来たけれど・・・ごめんなさい。
オリバーと話したのは、今日が初めてだから無理っす。
「・・・そ、そうだった、オリバー・・!引き継ぎ用の書類を準備しておいたから後で俺の部屋に撮りにに来てくれないか?」
苦し紛れに出したチャーリーの言葉で、オリバーは「わかった」と頷いていた。
<あとがき&反省>
オリバーと知り合う所を書きたかっただけです。