ハリポタ | ナノ
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夕食の時間まであと少し。

休日の朝・昼は、アンジーとアリシアと一緒に摂れない為、2人から「せめて、夕食だけでも一緒に食べましょう!!」と約束されていた。

もともと週末は、「必要の部屋」でシキと和食を食べていたので、夕食も特にいつもの部屋でも良いかなーて、感じで問題なかったんだけれども。
2人に強くお願いされていたので、その心遣いに感謝をしながら、夕食は一緒に摂っている。

まぁね。
寂しいといっちゃー、寂しいんだよ。
もしかしたら、その気持ちが2人にバレたのかもしれない。
だとしたら、ますます有り難い事だな。それと同時に申し訳ない気持ちも・・。


2人が練習から戻って来るまでの間、私は談話室のソファに身を沈めて読書をしていた。
本にカバーをしているから外からは表紙とか見えないだろうけれど、中身は相変わらず「動物もどき」関連の本である。

ちなみに膝の上にはシキが乗っている。
最近思うのだけれど、休日はシキがくっ付いて離れない。
シキは、頭がいいから私の気持ちを察してくれているのかもしれない。
フワフワの頭を撫でると、ゴロゴロと喉が鳴って気持ち良さそうだった。

今何時だろ?と、談話室の壁掛け時計を見る為に本から視線を上げると、「ミヨー!!」と、一人の女の子が小走りにこちらに近づいて来た。


「ぁ、ケイティ。どうしたの?」
「うん、また勉強教えてもらおうと思って!!」


彼女は、ケイティ・ベル。
グリフィンドール寮の1年生である。
つまり、私の後輩。

「いいよー」と言うと、ケイティは、私の隣に座って、教科書と羊皮紙をテーブルに置いた。
教科書は「魔法薬学」。
1年生の内容だから、大丈夫。普通に教えられると思う。


「どこ?」
「うんとねー、」


「ここ」と指を指した所を私が簡単に説明するとケイティは、羊皮紙に一生懸命メモを取り始める。
その様子を見て、私はケイティの魔法薬学の教科書を手に取った。

確か、ケイティとの出会いも、魔法薬学だった気がする。
あの時も、談話室で読書(本はやっぱり「動物もどきについて」)していたんだったな。






* * *






「もういやぁぁぁ・・魔法薬学なんて大嫌い・・ッッ!!」という大きな声を聞いて、本から目を上げると、近くのソファに座ってテーブルに顔を突っ伏している女の子が居た。
消灯時間までもう少しなので人も疎らで、その声を聞いて、談話室に居た数人は、関わりたくないのか分からないが、そそくさと逃げる様に自分の部屋へ戻っていった・・。

そして、今談話室には、私と先ほど叫んだ女の子のみ。

み、皆の裏切り者・・ッッ!!
これは、私が声をかけるしか無いじゃないか・・。

本を閉じながら溜め息をひとつつき立ち上がり、私は、彼女の元へと足を進めた。
「どうしたの?」と、なるべく優しく声を掛けると、彼女はゆっくりと顔を上げて「明日まで提出の魔法薬学の宿題が全然分からないし、終わらなくって・・」と、涙ながらに話してくれた。

同い年ぐらいかな?見た感じ。

でも、魔法薬学の宿題なんてあったかなー?と、考えながら「どこわからないの?」と教科書を覗き込んだ。
あれ?この内容は、確か1年生で習う・・・


「・・・ぇ、1年生?」
「?そだよ!グリフィンドール1年、ケイティ・ベル!!」


お、大人っぽ過ぎるだろ・・

「あなたの名前は?」とケイティに聞かれたので、自己紹介をすると、「ぇ!?私の先輩なの!?」とかなり驚いた表情を見せてくれた。
その後は、消灯時間ギリギリまでケイティの宿題に付き合い、終わった頃にはすっかり仲良くなっていた。
仲良くなったというか・・「懐かれた」が正解な気がする。



「・・よし!出来た!!ありがとう、ミヨ!!」
「いいえ〜」


「また、分からない所が出てきたら教えてね!!と言うと、教科書と羊皮紙をまとめて部屋に戻っていった。
前に比べると、聞いて来る回数が減ってきたから、ケイティの魔法薬学の苦手意識もかなり減ったのではないだろうか!!
なんだか、ちょっと嬉しいな!




時計を見ると夕食の時間になった。




「ミヨー!!練習終わったわー!!」
「着替えが終わったら夕食一緒に行きましょう!!」
「お疲れ様ー!2人とも!!」
「「・・・ただいま、ミヨ・・」」
「うわぁ・・ッッ!!ビックリした・・・。フレッドにジョージも一緒にご飯食べに行こうよ!!」
「了解!」
「すぐ着替えて来るから待っててね、ミヨ!!」
「はいはい」




<あとがき&反省>
ケイティと知り合いなんです。と書きたかっただけです。




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