ハリポタ | ナノ
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私はいつもの部屋で作ったお菓子を持って、グリフィンドールの練習場所に向かった。
たぶん、今の時間は休憩に入る頃だろう。


「アンジー!アリシア!!練習お疲れ様ー!」
「きゃー、ミヨー!練習見に来てくれたのね!!」
「嬉しいわ!!」


と、元気よく二人が抱きついて来た。
本当に時間的にも丁度良かったようだ。


「ぁ!チャーリー!!」
「ミヨ。おぉ!!また差し入れか?サンキューな!」


二人に抱きつかれた状態で、チャーリーに頭をガシガシと撫でられた。
チャーリーがチームメイトを集めて、私の差し入れのお菓子を配っていった。


「「ミヨだ!」」
「フレッドとジョージ!お疲れ様!!二人とも、早くしないとお菓子無くなっちゃうかもしれないよ?」
「げ、、それはまずい・・。ミヨのお菓子は美味いのに・・!!」
「急ぐぞ!相棒!!ミヨ、差し入れごちそうさま!!」


後ろを向きながら私に「ありがとう!」と走る二人を見て思わず笑ってしまった。
「練習頑張ってね」と、呟いて、私は城に戻る事にした。







* * *









「・・・暇だ・・」


もう、最近の口癖になってしまったかもしれない。

自室に戻って来た私は、ベッドの上に転がってシキと遊んでいた。
遊ぶと言っても猫じゃらしでひょいひょい動かすだけなんだけどね。

セドもミーティングがあるらしく、チームメイト達と玄関へ向かっていくのを先ほど見かけた。

そうか、そろそろ本格的にクィディッチの季節か・・・。



この間のハロウィンは、アンジーとアリシアをいつもの私の部屋に招待してお菓子作りをしていた。
やっぱり、皆でお菓子作りて楽しいよね!
私、調理実習とか普通に好きなんだよね。
好き勝手に作っちゃダメなのが面倒くさいけど。

ちなみに、今年のハロウィンの衣装は、母が作ってくれた黒猫の衣装だった。
かぶり物とか結構本格的で、ミュージカル「CATS」を参考にしたと言っていた。
でも、メイクはアンジーに軽くやってもらうだけだったので、ただの「猫のかぶり物と衣装を身に纏った女の子」にしかならなかったのが残念であった。

アンジーに「CATS」のパンフレットを見せて「こんな感じで」とお願いしたんだけれども、やはりあのメイクは難しいらしい。
そうだよね。
プロのメイクさんがやっているんだもの。




と、ぼーっとし過ぎたか・・。

私が動かす猫じゃらしにじゃれるシキを、によによしながら見ていると「そう言えば!」と、立ち上がり、私は本棚を見た。
忘れていた・・確か、この本、返却期限が今日だった。

また、マダムピンスに怒られてしまう!!(既に前科持ち)
でも、まだ全部読んでない・・!!

んー、と悩んだ私は、返してすぐにまた借りようと考え、取りあえず図書室を目指した。




「貴女、こういう関連の本好きね」と、返却手続きと貸し出し手続きをしてくれているマダムに「あはは・・」と答えた私は、すぐに一人きりになれるようにいつもの部屋へとやって来た。

去年のクリスマスから『動物もどき』について、調べ始めてきたけど・・
最近は、調べるだけでなくて実際にやってみたい!という願望が芽生え始めた。

特に目的は無いけれど、、あるとしら好奇心かな?
自分がどんな動物になるのかというワクワク感。

もし、鳥だったら苦手な飛行術なんてやらなくても、スイスイ空を飛べるだろうし・・・と、その前に高所恐怖症が治ればのお話だけれど・・・。

ネズミだったら、夜のホグワーツとか探検に行けるだろうし!!
と、思考が双子みたいだけれど、、だって、リアルなおばけ屋敷だもん。
かなりスリルあると思うんだ・・、恐いけど・・・。

そんな感じで、想像したらキリがない。


アンジーもアリシアも休日はクィディッチで忙しいから、ここ最近は本当に勉強に明け暮れてしまっている。
夏休みで予習をたっぷりしていたから、授業もそんなに大変じゃないし。

・・・・まぁ、実技のある「闇の魔術に対する防衛術」とかは相変わらず苦手だけどね・・。


つまりは、退屈なのである。
毎日毎日、いくら面白いと言っても勉強はさすがに飽きてしまう。
刺激が欲しいのである。

習得は難しいと聞くが、時間はたっぷりある。
うん、頑張ってみようかな!!


胸を膨らませながらワクワクと本を読んでいると、「ニャー!」と聞き慣れた鳴き声が聞こえた。
入口を見ると、シキが猫(シキ)用の小さい入口から部屋に入ってくる所だった。
私の所までやってきて、喉を鳴らして足に擦り着く。


「ご飯かな?」
「ニャー!!」




取りあえず、お昼にしようか。




「やあ、ミヨ。今日の昼食は何にするんじゃ?儂は、うどんが食べたいのぉ」
「アルバス!ここに来るなんて珍しいね!!うどんかぁ・・、じゃあ、かけうどんにしようかな」
「ほっほ!楽しみじゃの。」
「ニャー!」
「シキは、猫エサにする?」
「ニャー!!」
「ん?ミヨ。お前さん、動物もどきについて調べておるのかの?」
「・・・え?!あ、うん・・ちょっとね。」
「懐かしいのぉ。ナツもフミも、ミヨぐらいの年でアニメーガスを習得しておった」
「そうなの・・!?」
「ああ、息子のアキは中々手こずっていたようじゃがの」
「へぇ・・・」

「やっぱり、フジサキ家じゃな。」とアルバスは、私の出した緑茶を啜った。




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