ハリポタ | ナノ
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母から、イギリスの冬は寒いと言われていた。

確かに寒い・・・。
雪国出身の私だけどマジで寒い・・。
それに今日は雪だ。

今日からクリスマス休暇ということで、アンジーもアリシアもお家に帰ってしまった。
私は日本まで遠いから、居残り組である。
二人に「家に来ない?」て言われたけど、遠慮しておいた。
来年もたぶん居残り組になるだろうし、その時に遊びに行こうと思っている。

シキが寒そうにもぞもぞとベッドの中へ入って行くのを見て、私は昼食を摂りに大広間へ移動した。


アルバスの計らいで、居残り組の人たちと寮とか先生とかは関係無しに一緒に同じテーブルで食べるんだと言う。
知り合いの居ない中、取りあえずグリフィンドールの先輩の隣に座った。


「あら!あなた前にニクマンを差し入れに来てくれた子ね!!」
「・・へ?」
「ほら、クィディッチの練習で!」
「・・・あぁ!」
「あの時は本当にごちそうさま!とっても美味しかったわ!!」
「えへへ」


今度、レシピを教えてちょうだいね!と、全員が席に着いたので、そこで会話は一旦終わった。
アルバスが魔法で本日の昼食を出すと、各々が自由に食べ始めた。

先生の隣の席に座った先輩は、授業で分からなかった所を聞いていたり、友達同士で残った人たちは、他愛無い会話に花を咲かせていた。

そんな私は、隣の先輩―クララ先輩(本名:クラーラ)―と仲良くなり、肉まんのレシピを教えるのと交換で、クララ先輩が得意な編み物を教えてくれる事になった。
刺繍とかも好きらしい。
毎年の皆へのクリスマスプレゼントはマフラーとか手袋とか靴下とか、編み物尽くしなんだとか・・。

凄い・・、女の子過ぎる・・!!

今年7年生の先輩は、卒業後、実家のお店に就職らしく最後の年だから友達と一緒にいたら?と言う両親の意見でホグワーツに残ったのだと言う。
しかし、先輩の友達は就職活動に追われていて、帰省してしまったのだと・・。

うーん、それは可哀想だ・・。
私も7年後の就職活動慌てない様に早めにやっておこう・・!
(前の私もギリギリになって決まったからな・・)


「先輩のお家は何やっているお店なんですか?」
「ふふふ、手芸屋よ」


なるほど。
ということは、小さい頃から教えられたとみた。

昼食が終わると、クララ先輩と一緒に寮に戻った。
「部屋から毛糸と針を持ってくるわね」と自室に戻った。
先輩を見送り、私は談話室の隅から膝掛け用の毛布2枚を持ってきてソファに乗せておいた。

レシピはいつでもいいと先輩に言われていたから、今日の夜すぐにでも羊皮紙に書こうかな。
当然の事ながら、先輩のクリスマスプレゼント用意してなかったし・・。
代わりと言ったらなんだけど・・。

ソファに座り、毛布に包まってぬくぬくしていると、先輩が談話室に下りてきた。



「さぁ、始めましょうか」



「・・・編み物って、魔法でやるんですか・・?」
「ええ、勿論よ!慣れない最初は難しいと思うけど、魔法のトレーニングにとってもいいのよ?コントロール力が身につくし。」
「へぇ・・(それはいいかも)」
「編み物や刺繍をしていたお陰で、何でも実技は得意だったわ!」

私「闇の魔術に対する防衛術」の実技は、とっても苦手です・・。
(変身術は大丈夫なんだけど・・、呪文学は発音がネック・・)

「わたし、頑張ります!先輩、よろしくお願いします!!」
「ええ!じゃあ、まずは基本的な編み方からね」




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