ハリポタ | ナノ
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肌寒い季節になってきた。
ハロウィンパーティーから日も経ち、今日は「寮対抗クィディッチ杯」に向けてグリフィンドールの練習があるらしい。
アンジーとアリーは、早々に朝食を済ませると目を輝かせて部屋を出て行った。
練習の見学に行くようだ。
恐らく双子やリーも同じ感じであろう。

だから今日は、久しぶりに一人だ。

朝は、必要の部屋のキッチンで自炊してシキと一緒に食べ(焼きサンマにしました!)、そうだ!差し入れに何か作ろうかな、と材料庫を見ながら今の時期になると祖母がよく作っていた肉まんを作る事に。

で、できるだろうか・・・
いつもは、おばあちゃんと一緒だったらできるんだけど・・

まぁ、失敗してもいい様に、クッキーでも焼くか!
小麦粉もあるしね。
ホントなんでもあるわこの部屋!!いくら材料を消費しても自然と補充されているし。

魔法すげー!!



大量に作った肉まんも綺麗に蒸し上がって、一つ一つ丁寧に包む。
クッキーも出来たな・・。
ああ、まぁこれは3時に食べようか。


「ニャー」
「はいはい、お魚の形のクッキーはシキにあげるからね」
「ニャー!」


ホント、うちの子かわゆす。

前に祖母に教えてもらった保温の呪文をカバンに唱えて、アツアツの肉まんたちを入れる。
さっき一つ味見をしたけど、なかなか美味しかったよ!!

後片付けは帰ってきてからにしよう!と、考えコートにマフラーをしっかりしめる。
「いってきまーす!」と、毛布と戯れ合うシキに言葉を残して部屋を後にした。



外に出るとなかなか肌寒い。
マフラーと手袋をしっかりして、皆が見学している所へ小走りしていく。


「ぁ、ミヨー!こっちよ!貴女もきたのね!!」
「凄いわよ!!新しいフォーメーションを練習しているみたいなのよ!!」
「あはは、楽しそうだね二人とも。」


二人にカバンから取り出した肉まんを渡してた。
カバンを開けると辺りに良い臭いが漂う。
「いいにおい〜」とか「美味しいー!ミヨが作ったの?」とか、二人の楽しげな声が聞こえて、頑張って作った甲斐があったな!と思った。


「ぁ、いいにおい〜・・」
「ミヨ!何持っているんだ?」
「肉まんだよ!はい!二人にも!!」
「おぉ!!ありがとー!!」
「ミヨー、俺にも!!」
「はい、リーの分!」
「サンキュー!!」


臭いに釣られてやってきた双子とリーにも肉まんを与えた。
「なに食っているんだ?」と、ちょうど休憩に入ったチャーリーもやってきて、残りの肉まんをカバンごと渡した。


「お疲れ様です!チャーリー、差し入れです!!皆さんでどうぞ!」
「おぉぉぉ!!サンキュー、ミヨ!!もう寒くて腹も減ってぺこぺこだったんだよ・・、みんな!差し入れだー!!」


うぉぉー・・!!良い臭いー!!と声を上げながら、選手の人たちがこっちに集まってきて肉まんにかぶりついていた。
「美味い美味い」「体が温まるーぅ」だとか凄く喜んでくれて、なんだか恥ずかしくなった。

正直、こういうのって昔から慣れてない・・。
でも、選手の差し入れに肉まんを作ったのはホント衝動的だったから・・
本当は、アンジーとアリシアだけに作るつもりだったんだけど・・いつの間にか「せっかくだから選手達にも!」と、生地を沢山増やしてたっけ・・・。


「これ、貴女が作ったの?」
「・・ッ、はい!」
「ホント、凄く美味しいわ!ありがとう」
「また作ってきてくれよー!!」
「・・はい!!」



へへ、なんだか嬉しいかも。



練習は、引き続き午後からもやるらしい。
皆で昼食を摂った後、私はキッチンの後片付けをしてから、図書室で一緒になったセドリックと課題をしていた。

「ぁ、そうだ!あとでお菓子あげるね」
「お菓子?」
「クッキー作ったんだけど、余っちゃって・・」
「ミヨの手作り?やった!!厨房で作ったの?」
「内緒!・・そういえば、厨房てどこにあるの?」
「あれ?知らない??ハッフルパフ寮の近くだよ!・・この後時間あったら行ってみる?」
「うん!!」

課題を済ませた後、セドリックの案内で厨房へ連れて行ってもらった。(途中でクッキーも渡した。)
ちょっと不気味な人たち(アレが妖精・・?!)がパタパタと料理を作っている姿をみて、びっくりした。




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