ハリポタ | ナノ
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「・・・ごちそうさま」
「ミヨ、、全然食べてないじゃない。」
「いつも言っているけど、貴女そのうち倒れるわよ・・?」
「・・えへへ、食欲無くて・・」

わかっている。
自分でも、全然食べれていないのは。
この年でこれしか食べてないのは、成長の面でも心配になってしまう。
最初の頃は良かったんだよ・・?
パン主食でも何とか耐えていたよ・・、お腹が空けば美味しかったし・・・

けどさ、やっぱりお米が食べたいんだ。
ちょっと濃いめのお味噌汁啜りたいんだ。
おかずは、お浸しとか焼鮭、あと漬け物も食べたいね。ベーコンエッグも出るけど、、目玉焼きは、やっぱりご飯と一緒に食べたいよ・・。

ぼんやりしながら「先に教室いっているね〜・・」と、朝食後真っ直ぐ授業に向かっても良い様に、下に置いていた重たいカバンを持って大広間を出た。


「ぁー、お米食いたいー・・」

と、若干賑わっている廊下を進みながら日本語で小さく呟いた。

本気で、日本からお米送ってもらおうか・・?
でも、米貰っても、部屋にはキッチン無いし炊けないか・・そう言えば、厨房てどこにあるんだろ・・・?


普通に歩いていたのに突然目眩がして、膝にも力が入らなくなった私は廊下に倒れてしまった。
重たいカバンが大きな音を立てながら床に落ちた。
「やばい、目立つ・・!!」と慌てて起き上がり、カバンを持とうとするが、誰かにカバンを取られた。
視線を上げると、眉を寄せているジョージの顔が・・。
・・・もしかして、怒っている?
ジョージは、溜め息をひとつつくと、私の腕を引っ張り上げて立たせてくれた。
ぁ、後ろにリーも居る・・

「・・・ミヨ、保健室行くぞ」
「ぇ、、、必要ないよ!!わたし、元気だもん!!」
「・・お前、ちゃんと食ってないから目眩起こすんだろ!!」
「・・・ハイ・・。」


ごもっとも・・。

本当は「躓いちゃった☆エへ」と言う事にしようかと思ったんだけど、、ジョージは私の後ろを歩いていたんだかで、最初から全てお見通しでした。

リーに私とジョージのカバンを預けて「俺、ミヨを保健室まで送って行くから授業遅れる」と先生への言づてもお願いした。
ごめんね、私のカバン重いんだよ、リー・・


ジョージに背負われながら、保健室へ向かう。

クスクス笑われたり、女の先輩方から「可愛い〜」とか遠くから聞こえたりしましたが、左へ受け流す様にしてます。
人の目?ナニソレ美味しいの??

私は人形・・
そう、私は人形・・・

本当は、おんぶとかしなくてもいいのにと言ったのに、問答無用でジョージの背中に案内され、私を持ち上げた瞬間「お前、軽過ぎるだろ・・!!」て、また怒られた。

(中身は)私より年下なのに、、なんだかお兄ちゃんみたい。
この場合、チャーリーは、近所のお兄ちゃんかな?
フレッドは、近所の悪ガキ・・ガキ大将だな!!

何て事を考えていると「・・アンジェリーナたちも心配していた・・」と、ぼそりとジョージが呟いたのが聞こえた。
背負われているから、小さな声で喋ってもすぐに聞こえちゃう。

「・・・うん、ゴメンね・・・。ジョージ、ありがとうね」
「・・・・。」

本当に、心配かけてごめんなさい。
そして、気遣ってくれてありがとう。

全部、中身の年齢のせいにして今までの同級生とは適当に接していたけど、、
慣れない海外での寮生活で、みんなと出会って、、この子達はいつも何かと私に気を掛けてくれた。

本当に有り難い。
後で、みんなに謝っておかなくちゃな・・。


保健室の階だったもので、保健室にはあっという間に着いた。
ドアを開けて「マダム・ポンフリー!!」とジョージが叫ぶと「まあまあ、どうしたんです?」とマダムがやってきて、私を空いているベッドへ案内してくれた。

かくかくしかじかで今までの私の食生活やら何やらをジョージが説明すると、マダムがキッと私を睨みつけ(恐い・・)、奥の部屋に入り、ゴブレットを持ってきて「飲みなさい。」と私の前に持ってきた。


・・・なんじゃこりゃ・・・。

とっても熱いのか分からないけど、なにらやポコポコと音を立てているゴブレットの中身。
普通は点滴とかじゃないの・・!?


「・・・・。」
「あなたは、軽度の栄養失調です。まだ体も成長期なんですから、ちゃんとバランスの良い食事をしなくてはダメですよ・・ッッ!!さ、この薬を飲みきりなさい。」


マダムの顔が余りにも怖くって、鼻を摘んで一気に流し込んだ。。

うげぇぇ・・想像以上の味ですな・・・。
涙が止まらないよ・・

頑張って飲み干すと、見守ってくれていたジョージが「よしよし」と頭を優しく撫でてくれた。


「ここはもう大丈夫ですから。ウィーズリー、あなたは授業に戻りなさい。」
「ミヨは・・」
「ミス・フジサキは、今日は大事をとって一日ここに居てもらいます!先生には私から連絡しておきますから。さぁ、行きなさい。」
「はい・・・、じゃ、ミヨ。これからはちゃんとご飯食べるんだぞ?」


先ほどとは違い、とってもニコニコ笑顔なジョージを見上げて、コクコクと頭を振った。

あんなもの飲むくらいだったら脂っこくても我慢するもん・・。


ジョージが手を振ると同時にマダムがカーテンを閉め始めた。
その時、「ニャー」という声がして、布団に重みが加わる。
「・・まぁ!どこの猫でしょう・・ッッ」というマダムの声が聞こえて、視線を重みの方へ持って行くと、ペットのシキが「ニャー」と鳴き、私の枕元までやってきて頬に擦り寄ってきた。
それを見て「あなたのペットでしたか」とカーテンを再び動かした。

シキの毛、気持ち良い・・
・・・あれ・・、なんだか眠いかも・・。


「昼食と夕飯はここに持ってきますから・・・薬が効いてきたみたいですね。ゆっくりおやすみなさい」
「・・・はい、マダム・・」
「ニャー」


その後、アンジーとアリシア、双子とリー、チャーリーやセドリックが保健室を訪ねてきたらしいけど、ぐっすりと眠っていた私は気がつかずに夕食まで眠り通しだった。
ちなみに、アルバスがわざわざ持ってきてくれた夕食が「日本食」だったのには、喜んで涙を流しながら食べた私でした。


後日、、



私が栄養失調で倒れたと知った祖父が、アルバスに「和食ぐらい出さんかい!!」と吼えメールを送りつけ、和食を知らないしもべ妖精たちが「校長、無理は言わないで下さい・・!!」と嘆いたため、私の為にキッチンのある「必要の部屋」というものに案内してくれたのは言うまでも無く。


「ぁ、お米がいっぱい!!お味噌も、冷蔵庫にはおかずになりそうなものまで!!アルバスありがとー!!」
「ニャー」
「ふぉっふぉ・・すまんかったのぉ・・。ここは、遅くなったがワシからの入学祝いじゃ、ミヨ。」




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