ハリポタ | ナノ
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恐かった・・


私、高所恐怖症なんだけと、絶叫系は割と平気なんですよ。
遊園地で苦手な乗り物は観覧車なんです。
・・だけど、ここまで酷い絶叫系は人生2度目ですが初めてでした・・・。

換金用のお金を日本に忘れてきたという間抜けな父は、
「・・じゃぁ、おろすか・・」とガックしと肩を下ろしていた。

そして、青い顔になった父が、私に視線を合わせ「父さんに着いてくるのと、ここで小鬼たちの相手をしながら待っているのどっちがいい?」とイギリスへ着て初めて日本語で言うから、何事かと思ったら・・


これだったら小鬼さんとお話しながら待っていたよ・・ッッ!!

・・小鬼さんも恐いけどね・・ッッ


ちなみにグリンゴッツ魔法銀行は、父の職場らしい。
ここに勤めているんではなくて、日本にも支店があるようでそっちに配属されているんだと。
ダイアゴン横丁の銀行は本店なんだとか。


・・なるほど。
父が銀行員だという事は本当だったようです。
嘘つき言ってごめんなさい。


やっと顔がもどった父は「今度は、ゆっくり挨拶にくるから、支店長によろしく伝えておいてくれ」と小鬼さんたちに挨拶をして、財布をカバンに入れて銀行を後にした。

少し歩くと、マダム・マルキンの洋装店に着いた。


「じゃ、お金を渡しておくから、ここで制服とか私服とか下着とか、必要な物買っておきなさい。ぁ!あと、トランクもな!父さんは、その間、鍋とか教科書を買いに行っているから。」
「はーい」
「・・じゃ、あとはよろしくお願いします。」


そういうと、スタッフさん(?)にお辞儀をして店を出て行ってしまった。

台に上がると自分で動くメジャーが体中に巻かれて、ひぃ・・と固まってしまった。
まるで生きているみたいなんだもの・・。


それが終わると出来るまでひたすら待った。
雑誌を手に取ってみたけど、動く写真に目は行くが、内容がよくわからなくって閉じて元の場所に戻した。
当たり前だけど、全部英語なんだもん・・。
うん、当たり前なんだけどねー・・
やっぱり辞書がないと無理だ・・


そうこうしているうちに早くも父が戻ってきた。
買ったものは全部漏れ鍋に送ったんだと。

それと同時に制服も出来上がったようで、私服とか下着もトランクに入れてもらい、漏れ鍋に送る手続きを父がやってくれた。


「次は、杖だな!」とちょっと疲れた様に父が言った。


杖か・・

杖と聞くと、どうしてもサ●ーちゃんとかド●ミちゃんの魔法のステッキを思い出しちゃう。


なんだか、私、着実に魔女っ子に近づいているな・・


「オリバンダー杖店 紀元前382年創業の杖専門店」
という看板が近づいてきて「紀元前?!」と心の中で驚いた。

店に入ると店主のオリバンダーさんは、父の事を覚えていてたくさんお話をしていたけど、私の存在を見ると「そうじゃ!」と何かを思い出したように奥へ引っ込んで行った。







「・・決まるの早かったな。」
「・・・えへへへ」


杖選び、普通ならばもっと苦戦するらしいのだが、、
私の場合は、オリバンダーさんが奥から持ってきた杖がぴったりいい感じだったようで、オリバンダーさん本人は「やっぱりの」と満足げにニコニコしていた。
後で聞いたけど、私の杖は祖父と祖母、父の杖の素材が入っているらしく、「いつか生まれるであろう子供の為に」と作ってくれたらしい。





・・オリバンダーさん素敵・・ッッ!!




「・・さて、買うもの買ったし、、一服するか・・」
「はーい!」
「んー、アイスクリームパーラーでも行ってみるか」
「・・・アイスクリーム屋さん?」
「ああ、そうだよ」


魔法界のアイスクリーム屋さん、楽しみだな〜




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