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その日、京都派出所に一本の電話が入った。
「ぇ、日本支部へ何人か派遣しはることはでけへんか?・・やろか。へぇ、へぇ・・・」
内容は、東京の正十字騎士團日本支部に医工騎士を派遣して欲しいという要請だった。
「うちは無理や。育ち盛りのお子たちがいまんねんし・・」
「俺もです!」
「うちも、嫁はんがようすぐお子を産むさかい・・」
などと、京都派出所の医工騎士たちは、皆あまりいい顔をしなかった。
焦る班長。
電話の向こうでは、そこをなんとかしてほしいとの声。
最近、医工騎士の不作でどこも人手が足りなくている現状である。
京都派出所だってそうだ。
いつもギリギリのシフトを組んでいる。
「書庫の整理終わりました・・・」
その時、京都派出所で一番若手の医工騎士、藤崎三四が、頼んでいた雑務をこなして戻ってきた。
性格は、至って真面目。
一番下だからか、面倒な雑務でも進んで(本人そんな気は全く無し)やってくれているから、皆からは凄く頼りにされている。
先日、6年通った地元の大学を卒業して、最近やっと本格的に祓魔師の仕事を始めた。
・・・これには、本当に助かった。
『誰か居ませんかね・・・』
電話の向こうでは、まだ粘る医工騎士の日本支部の顧問。
「そないいわれましても・・・」
『中二級以上でいいんです!そして、なるべく若手で・・』
中二級・・
若手・・・
その場の皆の視線が藤崎に集まるのが分かった。
「分かりました。中二級祓魔師、藤崎三四を派遣させるさかい!」
「へ?私?」
堪忍な、、藤崎・・・。
東京いかはったら、美味しい京野菜、送ってやるさかいな・・
<原作沿いスタート前・・・>
<たぶん、続くかも・・・?>
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