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志摩家(八百・柔・金・廉)と、野菜



ドサリと落ちる農作業具、、

「・・・な、なんやこれは・・・」
「どういう事や・・」
「お、お父の畑が・・・」
「と、トマトが・・きゅうりまで・・・」


でかくなっとるうぅぅぅぅ・・!!?




ドタドタとうるさい足音が聞こえたと思ったら、居間の襖が勢いよく開いた。

「三四ー・・!!どういうことや!?」
「ぇ・・八百造さん・・!?」
「お父の畑、どないなっとるん!?」
「昨日まで全然ふつうやったのに・・・」
「トマトとか、化け物みたいにでかくなっとるんやけど・・!?」


食べかけの煎餅をポロリと落としながら、作務衣姿の志摩家の男共を見上げた私。

というか、八百造さん顔恐い…
柔造まで恐い…

一緒に居間でお茶を飲みながらテレビを観ていた祖母までもびっくりしている。



野菜が、化け物サイズ・・・
あぁ・・

そういえば、近所の八百造さんに誕生日プレゼントとしてあげたんだっけ、、バイオ液。

農大のバイオ科の友人に教えてもらって、私が独自に改良してみたものである。

まぁ、まだ試作品だけど。。
私のベランダ菜園でも実験済みだったし。
祖母にもプレゼントしたらとっても喜んでもらえたりで。

とりあえず、家庭菜園が趣味だという八百造さんにあげてみたのだ。


「八百造さん、、忘れたの?誕生日プレゼントにあげたじゃん。バイオ液…」
「…どういうこっちゃ、お父。」
「……もしかして、あの栄養剤のせいなのか?」


栄養剤じゃないし…
まぁ、同じようなものか?


「なんや、、どうしたら、俺の畑は元に戻るや?」
「今年の分を収穫したら効き目は切れますから。」

そうか…と、言って八百造さんは少しホッとした表情を見せた。






それから、ビッグサイズの野菜がとても気に入った八百造さんに、次の年もバイオ液をプレゼントしたのは言うまでもない・・・。





「…ねぇ、柔造、、八百造さんニヤニヤしててちょっと恐いんたけど…」
「かなり、締まりのない顔やな…」




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