PAPUWA | ナノ
3



案内してくれたエグチくんとナカムラくんを見送って、私はビーチサンダルを脱ぎパプワハウスに入った。
麦わら帽子を脱いでパラソルと一緒に隅の方へ置く。


「・・・ミヨちゃん。ここに住むのはいいんだけどね。・・・その・・」
「なんですか?」


目をソワソワさせながらリキッドさんが近づいて来た。
もしかして、ここに荷物置いちゃダメだったかな・・?

パプワくん、チャッピー、エグチくんとナカムラくんのお陰(脅迫?)で、リキッドさんになんとか許可を下ろしてもらい、晴れて私は再びパプワハウスで暮らす事になった。
もしかして、リキッドさんはまだ反対なのかしら・・。

そうだよね。
こんなよく分からない女、置いておくの嫌だもんね・・。

もじもじしているリキッドさんの視線が、私の服を見る。


「その・・・水着じゃなくて、早く着替えて欲しいかなー・・なんて・・・」
「!!・・ごめんなさい・・!!見苦しい物を・・ッッ!!今すぐ着替えますねッッ」
「いや、見苦しいとかじゃなくて・・!!」


パーカーの前を勢い良く閉め、荷物の方へと向き直った。持って来た荷物の中から下着と私服を取り出す。
ワンピースだったから着替えるのは楽だ。
パーカーを脱ぐと後ろから「おわッッ・・!!」とリキッドさんの声がしたけれど、構わずにビキニの上にワンピースを被る。
取りあえずこの格好で「お風呂場借ります!」と、下着を持ってお風呂場にある脱衣所に入った。

シンタローさんだったら気にしないであのまま着替え続けられたけれど、リキッドさんは、なんか気まずい・・。
なんでだか分からないけれど、気まずい。





着替え終わって脱衣所から出ると、リキッドさんが夕食の準備をしていた。
「手伝います!」とキッチンのリキッドさんに駆け寄ると、「いいっていいって!パプワ達と一緒に待っててよ!!」とニコニコと私をちゃぶ台の前に座らせてくれた。


そんな彼の額には、噛み痕が・・・(しかも、血が固まった痕が・・)
私が着替えている間、またチャッピーのエサになったのだろうか・・?
シンタローさんが居たときもよくあったから、あまり気にならないけど。

お言葉に甘えて・・と、着座していると、パプワくんが私が置いていった荷物を持って来てくれた。


「ミヨ!!」
「ぁ!大事に取っておいてくれたんだね!ありがとう。」


パプワくんから大きめの旅行バックを受け取った。
もう4年も前の荷物である。
どんなものを入れていたのか忘れていたので、私は荷物の整頓を始めた。

お風呂セット、私服と下着が2、3日分、Tシャツが数枚にパジャマと部屋着用のTシャツとホットパンツ。
あ、スニーカーとパンプスも入っている!
よっかった、、ビーサンは正直キツかったんだよねー・・


でも・・まぁ、これだけあれば何とかなるかなー。
服は、4年前のデザインだったけど、流行に左右されずに着ていた服だったから、まぁダサイとかは無い筈。
というか、人が少ない(居ない)パプワ島でファッションとか気にしないけどねー。

再び旅行バックに荷物を入れて、パプワくんに「ここに入れておくと良いぞ!」と収納スペースに置かせてもらった。一緒に、パラソルも置く。


「さぁ、ご飯ですよ!!今日は、ミヨちゃんの歓迎会だぜ!!」
「わぁ!すごい、美味しそう!!」


パプワくんと後ろを振り向くと、ちゃぶ台の上に乗り切らないんじゃないかて程の豪華な料理があった。

す、すごい・・・。
これ、全部リキッドさんが作ったんだよね?!
しかも、あの短時間で・・!

シンタローさんもそうだったけれど、どうしてここの男の人て皆料理上手なんだろうか。
一人暮らしにも関わらず質素な物しか作れない私は、内心凄く落ち込んだ。


「気合入っているな、リキッド」
「わうわう」
「あはははは・・、(こんな可愛い子に食べさせるんだ)そりゃ、気合いも入るだろうよ!デザートにケーキも作ったからな!!」
「ふふ、凄い!!リキッドさん、ありがとうございます!」


最初、私がここに住む事に対して、あんなに反対していたのに。
こんなに凄いご飯を作ってくれて。
私は笑顔でリキッドさんに感謝した。


「・・・ッ、いいいいって、いいって!さぁ、食べるぞ食べるぞ!ミヨちゃんは、ご飯普通盛り?」
「ぁ、はい!普通で!!」


この後、リキッドさんのご飯がシンタローさん並みの美味さで思わず2回も、おかわりしてしまったのはいうまでもない。




あぅ・・また太っちゃいそう・・・




「うぅ・・・、こんな美味しいご飯毎日食べちゃったら太っちゃうよ・・・」
「ミヨの場合、食べた後すぐに寝るから太るんだぞ?」
「わうわう!」
「もう!パプワくんもチャッピーも意地悪・・!!」
「(・・やっぱり、仲良いんだなー・・・)」



<あとがき&反省>
いつか、リっちゃん視点で書きたいね!




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