PAPUWA | ナノ
2



「・・・・似ている・・」


どことなくパプワ島に・・・。
さっき、喋る変な植物(キノコ?)を見たけれど・・私は見ていないぞ・・!

何も見ていないぞ・・!!



折り畳むことのできて専用の袋に入るパラソルとはいっても、大型のためにズシリと重い。
あまりに重たくて「休憩・・」と、私は倒れた木をペンチ代わりにして腰を下ろした。


「疲れたー・・・・」


こんなことなら、レンタルにすれば良かったな・・と、右肩を揉みほぐしながら呟いた。
浜辺は、ジリジリ暑かったけれど、森はジトジトと湿気が高い気がする。
麦わら帽子を脱いでバッグに入れていたタオルで汗を拭う。

ぁー、日焼け止めも汗で完全に落ちたっぽいな・・・。
はぁ・・と溜め息をついて、ビーチサンダルを履いている自分の足を見た。
結構歩いたせいもあり、ビーチサンダルの鼻緒の部分が擦れて、靴連れになっていた。
ぶっちゃけ痛い。。


その時、視界にモフモフの毛の足が4つ入って来た。
・・・動物?と、視線をあげると・・


「やっぱり、ミヨちゃんだ!!」
「ね!ナカムラくん。ボクの言った通りだったでしょ?」
「・・・エグチくん、ナカムラくん!!」


パプワ島の喋るアニマルの2人(2匹?)の登場で、私は思わず彼らに抱きついた。
汗がフワフワな毛に張り付いて気持ち悪いが構わない。


やっぱり、ここはパプワ島なんだ・・!!
「苦しいよ・・ミヨちゃん・・」と言う、エグチ君の声でゆっくり離れると、思わず涙が溢れた。

「ミヨちゃん?」と、ナカムラくんが私の目に溜まる涙を拭うけど、モフモフの毛がくすぐったくて思わず笑ってしまった。

無人島じゃない。パプワ島だという安心感からか、涙が出てしまったようだ。


「ミヨちゃんは、お家に帰ったってシンタローさんに言われたから」
「戻って来たの?」
「・・・うん。」


自分でも状況がよく分かってないから、そう言う事にしておく。

ここがパプワ島と言う事が分かったので「パプワくんのお家を探しているんだけど」と二人に言うと、「わかった!」「案内してあげるねー!」と案内してもらう事になった。

パラソルを「よいしょ」と肩に持つと、エグチくんは私のバッグを、ナカムラくんはビニールシートを持ってくれた。

「皆で持つと大変じゃないでしょ?」という二人の言葉に甘えさせてもらう。
麦わら帽子を被り直して、二人の後をついていった。




少し歩くと、とっても懐かしいパプワハウスが見えて来た。
私がドアをノックすると、エグチくんとナカムラくんが(勝手に)ドアを開けて「「パプワくーん!!ミヨちゃんだよー!!」」と戦陣をきって言ってしまった。

「もう、二人とも待ってよー!」と、パプワハウスに足を踏み入れると出迎えてくれたのは、シンタローさんでもパプワくんでもチャッピーでもなくて・・・


「えっと・・・・?」
「・・・・・・ッッ」


何故かこちらを見て顔を真っ赤にさせて固まっている、体格の良い若い男性だった。
タンクトップから覗く素晴らしい筋肉は、シンタローさん並みに凄いと思った。

髪型は、、髪の色は、プリンだね。


「リキッドくん、どうしたの?」
「顔が真っ赤だよ?」
「・・・ッッ、な、何でも無いよ!!」


エグチくんとナカムラくんと一緒に首を傾げていると、部屋の奥から懐かしい声が聞こえてきた。


「おぉ、ミヨ!久しぶりだな!!」
「わう!!」
「!!ぱ、パプワくん!チャッピー!!」


私は、荷物を投げ出して、2人に抱きついた。
パプワくんのモッチモチのお肌、チャッピーの少し剛毛な毛!!
うわぁぁぁ、凄く凄く懐かしい!!

「・・パプワの知り合いか?」と、先ほどの『りきっど』さんがパプワに声をかけると、「ああ、ボクの友達だ!昔、一緒に住んでいたんだ!!」「わう!!」と、私を見ながら言った。

そうだ、挨拶がまだだったよね。
私は、立ち上がってリキッドさんを見上げた。


「挨拶もしないですみません。私、ミヨと言います。よろしくお願いします。」
「・・・あああ、ああ。俺は、リキッド。今はパプワとここに住んでいるんだ。よろしく」


と、握手をすると、ゴツゴツしていていかにも男性の大きい手で凄くドキドキした。
自分から握手を求めてなんだけどね。


「あれ?そういえば、シンタローさんは??」
「・・・・・・」
「シンタローだったら、帰ったぞ」
「・・・帰った?」
「ミヨちゃんが帰っちゃってから色んな事があってね。」
「シンタローさんはここには居ないんだ。」


「そうだったんだ・・」と、ちょっと落ち込んだ。
シンタローさんには、かなりお世話になったからもう一度会ってお礼したかったんだよね。


「ところでミヨは、第二のパプワ島に来て、行くとこあるのか?」
「勿論、行く所なんてないけど・・・」


当たり前だ。
なんといってもこの島にきたのはつい先ほどなのである。
というか、『第二』て何?


「じゃあ、決まりだな。またここに住むと良いぞ!ちょうどミヨの布団も、前に置いていった荷物も有るし。」
「ありがとう!!そういえば、荷物置きっぱなしだったよねー。」
「よかったね、ミヨちゃん!」
「また、一緒に遊べるんだね!!」
「ぇ!?ちょっと待て。俺は、許可してねぇぞ!?」


すかさずリキッドさんから反論の声が上がるけれど、パプワくんの「チャッピー、エサ!」の声で、リキッドさんはチャッピーに頭を噛み付かれた。
それがまるで、シンタローさんみたいで、私は思わず笑ってしまった。


「ふふふ、変らないね。パプワくん」
「ミヨは、綺麗になったな。」
「ぉ、褒めてくれてありがとう。」


リキッドさんの断末魔をBGMに、私はパプワくんの頭を撫でた。



ちなみに、リキッドの反対する理由は、
「こんな若くて可愛い女の子と一つ屋根の下でなんて暮らせない・・!!」




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