PAPUWA | ナノ
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パプワ島での出来事から、普通の日常に戻り、4年が経過した。
黒髪だった私も少し茶色に染めて、緩いパーマをかけるようになった。
えへへ、大人っぽいでしょ?


「三四。あんたも彼氏いないなら、あたし達に付き合いなさい!!」
「海に男探しにいくよ!!」
という、大学の威勢のいい友人達に誘われて、私は海にやってきた。

大学4年目と言う事で、就職の内定が決まらなくてワタワタしているであろうこの時期。
生憎、私と友人達は、教授の推薦で大学院に進む事に決まっていた。院の試験はまだ先だけど、卒論も終わっている。
なので割と暇である。


「三四ー!!私達、ちょっと良い男を引っ掛けてくるわ」
「あと、かき氷も買って来るから、ちょっと荷物番しててくれる?」
「了解でーす。私、いちご味ね!」


「はいよ!」と、友人達は行ってしまった。二人とも、この間買ったばかりのビキニがとっても似合っている。髪も化粧もバッチリで、かなり気合いが入っているに違いない。

私は、大きめのパラソルを設置して、ビニールシートの上に座り日焼け止めを塗り始めた。
海に着くまでにも塗っていたけれど、水着に着替えてからはまだだったから、ついでに1から塗り直しだ。
水着の上に着ていたパーカーも脱いで、次は腕を塗り始める。


そう言えば、パプワ島で暮らしていた時は、日焼け止めなんて塗ってなかったな。
塗ってなかったじゃなくて、最初は塗っていたけど、シンタローさんが「そんなのキリがないからやめとけ」と言われて、塗らなかっただけ。
お陰で、こっちに戻って来た時は健康的にこんがりと焼けいたっけ。


シンタローさんもパプワくんもチャッピーもパプワ島の皆も、元気かなー

毎年、夏の海を見ると皆の事を思い出してしまう。


塗り終わって、日焼け止めをバッグに仕舞った私は、体育座りになって目を閉じた。




太陽のジリジリとした暑さ
波の音
潮の香り
人の笑い声・・


パプワ島はもっと静かだったよなー・・と思いながら、私は目を瞑り続けた。







* * *









「んー・・・・・ぁ、」


・・・ヤバい。
眠り過ぎた。

荷物番なのに寝るってどんな間抜けだよ・・!!


でも、なんだか懐かしい夢を見た気がする。
パプワ島で過ごした感じの夢。
海で寝たからかな。

そういえば、友人達は戻って来たのだろうか?と、眠たげな目を擦りながら視線を上げた。


「・・・だれも、いない・・?」


それに静かである。
さっきまで、あんなに賑やかなビーチだったのに。一体何があったの!?と言うぐらい人が居ない・・・。

荷物は、私の分しか無い。パラソルとビニールシートも、勿論私の私物だったから・・・というか、もしかして私は置いていかれたのだろうか・・・?

そう思うとなんだか悲しくなる。
携帯を確認したけれど、不思議なことにさっきまで3本立っていたのに『圏外』だった。





なんで・・・?




「・・まぁ、とりあえずは。あの森へ行ってみようかな。」

小さく呟いて私は、パーカーを羽織り、パラソルとビニールシートを仕舞った。





<あとがき&反省>
PAPUWA始めちゃったwwリっちゃん大好き!シンタローさんも大好き!!頑張るわー!




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