※現パロ






「はぁっ!?」

鼓膜にびりびり来そうな大声で怒られている。
目の前の綺麗な顔だった、三成が、鬼の形相でこちらを見ていた。
しかも場所が公園のおかげで、周りの人の目線を一気に集めてしまった。

「俺がやった指輪を失くしただと?」
「うっかり、あの、台所に落としたみたいで…」
「あれは、俺が悩みに悩んで選んでやった最初のプレゼントなのだよ、それは分かっているな」
「…とてもよく覚えています」
「なぜ台所に落としたのだ」
「えっと…」

訳を話そうと思ったのだが、その理由が彼の怒りを納めるわけではないので言うのをためらった。
しかし逆効果。少し間が置かれたのち、また彼の眉間のしわが深くなって行ってしまう。

「なぜだと聞いている」
「言わなきゃいけませんか」
「ああ、さっさと言え」
「お皿を洗う時に、指輪外した方がいいかなーと思って外したらうっかり落ちて行ってしまって」
「………」
「なんですぐわかったの?」
「知らん」
「知らないわけないでしょ、なんで?」
「お前が、」
「私が?」
「手を繋ぎたいと言ったときに、冷たい感触がなかったから」
「えっ」
「なぜそこで照れる」

正直、そこまで意識して手を繋がれているとは思わなかったので、一気にとてつもなく恥ずかしくなってきた。そして目の前の彼も私の顔を見て真っ赤になってきている。

「だってそこまで意識して手を繋いでるとは思わなかったから…」
「なんでもない奴に手を繋いだりしないぞ、俺は」
「あ、うん、ありがとう…」
「なんだか怒っているのが馬鹿馬鹿しくなってきた」
「そうだね」

さっきまで怒っていたのに、もう二人とも恥ずかしさの方が勝ってしまってさっさと公園を出ることにした。

「おい」
「何?」
「今度は、失くすなよ」
140209 瀬戸梓さんリクエストありがとうございました!
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