「パーチェ、お手を拝借」
「ん、どしたの名前」

目の前にいるパーチェの手をぐいと引っ張って自分の両手で包み込む。
それからちゃんと鼓動を感じるか確かめた。

「名前、そんなにぎゅって握りしめられるとなんていうか、恥ずかしいっていうか」
「大丈夫、ここは私の部屋だし、よっぽどのことがないかぎり誰も来ないよ」
「そういうことじゃなくてさ、」
「パーチェはこうされるの嫌い?」
「嫌いってわけじゃないけど、その、」
「パーチェはいつも優しい言葉をくれるけど、私は言葉だけじゃ足りないの」

それからパーチェの手に付けていた指輪を抜いて自分の手に付けた。それから名前は机の引き出しから指輪を出して、パーチェの手に付けた。

「お揃いじゃないけど、こうすると良いでしょう?」
「名前も洒落たことするんだね」

名前が手を放すとパーチェは自分の指につけられた指輪を眺めた。それからゆっくりなぞって、名前の手を取った。

「俺の指輪でも、名前の手に付けるとまた違った感じが出て良いね」
「パーチェのも似合ってるよ」
「ありがとう、大事にする」

パーチェはそう言って笑ってくれた。その笑顔にほっとしたのもつかの間、いつの間にか壁に押し付けらるような感覚がした。顔のそばには彼の手が添えてあって、まるで逃げることもかなわない。そんなことを思っているうちに、パーチェは眼鏡を外した。

「パーチェ、」
「さっきのお返し。言葉だけじゃ足りないなら、もっと満たされるようにしてあげるよ」
「顔が近いから、」
「誰も来ないんでしょ?」
「そうだけど、ほらもう晩御飯・・・」
「先にこっちから、ね?」
「もう・・・」
「じゃあ、いただきます」
120921 リハビリ!パーチェ好きなんだけど誰おま状態(...)