!Attention!

・侑介×涼
・大学生
・同棲してる
・甘い
・R15

以上を踏まえてお読みください



ーーー




侑くんが酔っぱらって帰ってきた。

いつも酔わない侑くんが、こんな状態になって帰ってくるとは思わなかったから、
俺はたぶん相当間抜けな顔をしていたと思う。



だって、



「りょう」



俺の名前を、こんなにも甘ったるい声で呼ぶ彼を、俺は見たことが無かったんだもの。



「ゆ、・・・うわあっ」



俺が名前を呼び返す前に、侑くんが俺に抱き付いてきた。
酒と煙草の匂い。
いったい、何があったのか。


なんで、こんなに酔って…



「千歳っ、侑くんに何したんだよ!!」


侑くんをこんな状態になるまで酔わせた張本人を怒る。
社会人になった千歳はスーツ姿で、色男ぶりが増していた。
珍しく千歳も顔を火照らせていて、怒ってる俺に目元を緩め楽しそうな顔をしている。

なに笑ってんだこいつ・・・!


「…おい、何他の男の名前呼んでんだよ…」

「え…?んんんっっ」


侑くんの低い声が耳に入ってきたと思ったら口を塞がれた。

他の男の名前
どうやら千歳の名前を呼んだことが気に食わなかったらしい。


えっっ、なにそれっっ

えっ!!?


侑くんからのキスを受けながら、もしかして嫉妬されてるのではと興奮するが千歳と目が合ってハッとした。


う、うわあ、


「んっ、侑、ふ、っ…こういうのは、その、…あ、あとで…」


言っておいて恥ずかしくなりながら、侑くんの胸板をそっと押す

めっちゃうれしいけど、うれしいけど、
玄関で幼馴染同士のキス見せられる千歳の事を考えると地獄すぎんだろ


無言で俺の目をじーっとみる侑くん
赤く染まった目元は力が入っていなくて、いつもとは別人のようだった

さ…
酒の力ってすごい…


「…ふろ、入ってくるわ」

「えっ?だ、大丈夫なの、」

「ああ」


去り際に俺のおでこにキスをしながら、侑くんが離れた。壁に手をつきながら、ふらふらとお風呂場に向かってる

ど、どひゃあ〜〜
お酒の力ってしゅごい〜〜!(二度目)


「う、うふぇあ〜〜」


侑くんに翻弄されて、俺はその場にしゃがみこんだ。酒飲んでないのによろよろしてる俺。

侑くんの舌、お酒の味した…
あと身体めっちゃ熱かった…
やばい…


「随分と見せつけてくるな」

「ああ、いたんだっけ…」


ッチ、
幸せな気分が一気に消え失せる
けれどほっとくわけにもいかないので立ち上がった


「なんか飲む?お茶ぐらい出すよ」


飲ませた張本人であるが、送ってくれたんだから御礼はしなくては。

久々にあった千歳を迎えようとスリッパを出すが、「もう帰る」と言われる


「ふーん…千歳も珍しく顔染まってるしね。どうしたの」


侑くんもあんなにべろべろに酔って。最高だったけど。あとタバコくさかったのはこいつのせいだろう。おい、ふざけんな。


「どっちが先に潰れるか勝負してた」

「はあ?」

「あいつ意外とつえーな」


二個下のくせに、と千歳が疲れた声で呟く。珍しい。
侑くんは相当強いはずだ。でも千歳も相当強い事は知っているから、この感じだと千歳が勝ったんだろうか。

千歳の顔を火照らすだけでもすごいことだと思うけど…


「やめてよ、侑くん具合悪くしたらどうすんの」


今も心配でお風呂場に行きたいもん。あんなに酔っててシャワー浴びるなんて大丈夫かな。


「冗談でお前を賭けて飲み比べしたらあいつがああなったんだよ。」

「…俺を賭けるってどういうことだよ」


また下らないこと言って侑くん煽ったのか。
え、てことは、俺のためにあんなにべろべろになってくれたの侑くん〜やばーい


「涼っつーかお前の1日だな。たまには俺と浮気すんのもありだろ?」


千歳が微かに笑いながら首を傾げた。
色気だだ漏れの新社会人。
酒の力って怖い、と三度目にして思う


「お前と俺が浮気?ねーだろ。ふざけんな」

「…ほんっとーにお前だけだよ。俺とデート出来んのに喜ばねえやつ」

「ナルシストめ」

「事実だからな」


…そうですがあ。
毎回このやりとりやってるよお前と。

千歳が本気で言ってんのか冗談で言ってんのかわからないけれど、俺が浮気だと。するわけねーじゃん。

別に千歳と遊ぶくらいどうってことないけど。買い物でもしたいんだろうか。


「再来週の日曜あけとけよ。俺が勝ったんだから」


千歳が玄関を開けながら俺にそう告げる

は?マジな話なわけ


「う、浮気はしねーぞ」

「はいはい。俺も久々にお前と遊びてえだけだよ、侑介によろしく言っといて」


そして千歳が部屋を出てった。
見送ろうかと迷うが、侑くんの方が心配なので玄関に鍵をしてお風呂場に向かう


2人とも何やってんだか…
つか本当に、賭ける対象おかしいだろ。いつでも千歳となんか遊んでやるっつーのに。

あ、でも侑くん的には許せないとか?
なにそれ…ぐふ、嫉妬されてるってことかな…


「侑くーん、具合どう?」


ニコニコしながら洗面所の扉をあけると、ちょうど侑くんがスウェットを履きおわったところだった

濡れた髪に、程よく筋肉のついた裸の上半身。
なんだか見てはいけないもののようですぐに目をそらす

うわあ…


「あっ…えと、着替え中だったんだね、ごめん」

「別に今更だろ」


ドアを閉めようとしたら、侑くんの手で止められた。
そのまま対面する形になって、なんだかドキドキする


う、
なんか、
いつもの侑くんと雰囲気が違う


そう思いながら、酔いはマシになったのかを聞こうと顔を上げたらまたキスをされた。


えっ…!



腰を引き寄せられながら、もう片方の手で頭を鷲掴みにされる。力の加減ができてないのか、ちょっと痛い。


「んっ、ゆう、…ふ、ぅ」


歯磨き粉の味と、やっぱり抜け切れてないアルコールの味がするキス

熱い舌が俺の舌に激しく絡んでくるから、それに頭が溶けそうになった


「…りょう、明日朝なんもねーよな」

「ん、うん…?」


すぐに離れた唇に少し不満に感じながら頷く。
明日朝はゼミもなんも入ってない。4年なんて暇だし

俺の返答に満足したのか、侑くんが目元にキスをして俺を持ち上げた。

うわあっ!?


「ゆ、ゆうくん…?」


びっくりしながらも、落ちないように侑くんの首に腕を巻く。あと腰にも足を巻いた。

き、急に抱っこされるとは…
てか侑くん、上はだかなの、わ、忘れてんじゃないの…

ドキドキしながらいい匂いのする侑くんの肩口に唇をつける。すべすべしてる侑くんの肌。噛みつきたい。


まっすぐ連れてかれたのは寝室で、優しくベッドの上に降ろされた。
そのまま俺に覆いかぶさってくる侑くん。真っ暗な部屋の中、廊下から溢れる微かな明かりが侑くんを魅力的にうつしてる。


そして、


「ヤりたい」


と、なんも包み隠すことなく、直球で俺にそういってきた


う、
うええっ、!?

その色気と言葉に、俺はもう爆発寸前だった。
侑くんに唇を塞がれなかったら叫んでいたかもしれない


「んっ…!」


俺の服の中に熱い手をいれながら深いキスをしてくる侑くん
その手の感触とキスに俺は息があがるばかり。熱い掌が腰、お腹、胸へと這っていくごとに、はあはあ、と馬鹿みたいに吐息を零した


「りょう、」


熱の籠った侑くんの囁き
侑くんが、俺に欲情してる
こんなに目をギラギラさせて、俺を求めている


そのことだけでも俺の身体を熱くさせた


や、ばい、
キスされて身体触られてるだけなのに、俺、おれ…


「っ、」


口を開けたら淫猥な言葉が出て来そうになって、慌てて侑くんの顔を引き寄せた。ずっとキスしてたい、じゃないとおれ、すごい恥ずかしいこと言っちゃう。

そんな俺に気付いたのか、侑くんが笑いながら俺のズボンに手をかけた


「はぁ」、と期待に漏れる切ないような甘い声


この声のせいで言葉にしていなくても、俺がなにを求めてるかすぐにばれてしまう気がする



いつも以上に激しい情事

悲鳴に近い俺の甘ったるい嬌声と、
ベッドが軋む音

流れる汗など気にせず、お互いの熱を求め合う。少し乱暴なセックス


そんな中、侑くんが熱い吐息を零しながら、俺に呟いた。

あいつとデートなんて許さねえぞ、

と。


その嫉妬に溢れる声も、
目も、
指先も、


全てが愛おしくてたまらない


その表情に俺はうっとりしながら、
襲いかかってくる何度目かの絶頂に身体を震わせた




キス・マイ・ブレス