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「いい加減にしろよ!!」
真澄の手を振りほどいて、思い切り真澄の事を突き飛ばした
キスをしただけなのに、あがってる息
身体に残る甘い痺れ
力の入らない足
本当に、なんで、
こんなことに
「どうしたんだよお前変だよ今日!!!」
流されてる俺も馬鹿だけどさあ!!
真澄が何をしたいのか全然わかんない
俺が無防備だという事を言いたかったのはわかった、でもそのあと。
なんでキスするハメになったんだっけ
あ、俺が煽られて真澄にキスしたのか、
その時点で変な方向に行ってたのか。もしかして原因俺?
だとしても真澄ものってくんなよ。なんでディープキスなんてしてきたんだ、洒落になんないじゃん
突き飛ばされて我に返ったのか、唖然としてる真澄
よろよろと、ふらついた足で後ろに下がった
「り、涼…」
「舌噛んだことは謝るけど、なんか、変だよ!熱でもあんじゃねーの!!」
顔赤いし!!!
手に持ったままだった消毒液を真澄に投げつけて、玄関へと向かう。
くそ、恥ずかしい。ディープキスごときでこんなに動揺してる俺も俺だけど。
だいたい、自分もなんであそこで真澄を殴らなかったんだ。そうしたらなんか変な空気にならずに済んだのに。でも、真澄相手だとなんか気が引けんだよ!!くそっ!!なんか色々利用された気分だ!!!
「どこ行くの、」
真澄に手を掴まれた。
どこか焦った表情の真澄。
「・・・どこでもいいだろ。お前は俺のなんなの」
また母親みたいな発言にイラってした。
思い切り手を振りほどいて、外に逃げる。
今日はもう、真澄の顔なんか見たくない。
俺も悪いのかな、
それとも、真澄も、た、溜まってたとか?
相手間違ってんだよ馬鹿野郎他の奴誘え
「くっそ〜〜〜〜」
エレベーターに乗って、壁にゴンッと頭を打ち付けた。
どこから間違った。
いや、そもそも今日は真澄がおかしかった。
それが良くなかった。
でも別にたかが、キスだしな…。
ちょっと深いけど、俺もここまでパニック起こさなくても良かったのかな。
なんか、真澄も、
焦った顔してたし・・・・。
「・・・。」
いや、どっちにしろ気まずいから飛び出してきて正解だったな。うん。
またレイプされかけたことに関しての説教されても嫌だし。
オッケーオッケー。
明日の朝戻れば、あいつもいつもの冷静な真澄くんに戻ってるだろ。
チーンと音がして、エレベーターが目的の場所についたことが知らされた。
最上階。
三年になると、学年TOP15までは一人部屋を貰えるんだけどその人たちが住んでる階。
ちなみに俺の目的の人物はこの学年TOP。
つーわけで、
「今日一日泊めてくださーい。」
扉を開けて真顔で俺を見る千歳に笑顔を向けた。
いつもセット(なのか寝癖なのかわからないけど)されてる前髪を下ろしてる千歳。目にかかりそうな前髪から覗く目は、完全に呆れた目をしていた。
「…真澄と喧嘩でもしたのかお前」
「んー、そんなとこ。入れて。」
ズカズカ部屋に入る俺に何も言わずに、ドアを閉める千歳。
さすが、物分かりがいいね。
侑くんの所に行こうかと思ったけれど、升谷いるし、
あと、あんなことあったし…。
・・・。あんな、ね。
はあ、
本当、今日の俺の身に何が起きてるんだ。
「相変わらず良い部屋だね。」
なるべく侑くんの事を思い出さないように、別の事を考える。
千歳の部屋。
シンプルかつ、置いてあるもの全部がセンスいい。広いし。
「つか千歳前髪切ったら?長くない?」
「いつも下ろしてるわけじゃねーから別に気にしてねえよ。」
「ふうん。」
さっそくどデカいソファに座った。
そんな俺を見下ろす千歳。
「なんだよ。」
「…お前、怪我してない日はねーの?」
「今日は厄日なの」
頬のこと言ってんのか、首のことか。
でも部屋で冷やしてたから、今はほとんど腫れてないと思う。
そう思いながら頬を摩っていたら、千歳がソファに手をついて俺の顔を覗いてきた。
「唇、血ついてるぞ」
顎に手を添えられて、千歳の親指が俺の唇に触れる。
血?
「あ、これは俺のじゃなくて、ます・・・」
真澄の、といいかけてやめた。
口をバッと抑えて、しまったと思う。
唇に真澄の血がついてるって、どういうことだよって思われるところだった。
恐る恐る千歳を見上げてみると、相変わらずの無表情。
だけれど、「へえ」という相槌が俺を緊張させた。
「・・・。」
何か、他に言えよ。
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bkm