誤算、伝染中 | ナノ
28**

!性描写あるので注意!



真澄からのキスを受けながらも、どうにかしてスウェットの紐を解き、真澄の腰に触れる。
全身の甘い痺れを感じたまま、真澄の温かい肌と下着の隙間に指を通し下にずらすと、真澄が手を止めて口を挟んできた。


「…本気?」


まだ真澄は俺が無理をしてると思っているらしい。
それもそうだ、俺がこんな事をしたことがないのは知っているだろうから。

相変わらずぼんやりする頭のまま視線だけで真澄の顔を見上げる。すると、目元を染めた真澄が俺の顔を見下ろしていた。


「・・・」


俺はその言葉を無視して、真澄の熱に恐る恐る指を絡ませる。ピクリと揺れる真澄の肩。

…熱い。初めて他人のそれに触れた。

これでようやく対等だと思いながら、さっき真澄が俺にしてくれたように少しずつ手を上下に動かしてみる。指先を形に沿って絡めてゆっくりと。
これがあってるかわからないが、この方法しか知らない。

すると、その熱は少し硬さを増し、真澄の吐息が俺の耳元に聞こえてきた。
色っぽい吐息。その反応に間違っていないと安心する。

良かった、ちゃんと気持ちいいんだと思いながら真澄の反応を窺っていると、俺が真澄の顔を見ていることに気付いたらしい。
真澄が顔を寄せてきて艶っぽい声色のまま俺に囁いてきた。


「見ないで」


こっちの気がやられそうなくらいの色気。
真澄の声と吐息だけでゾクリと体が震える。
咄嗟に視線を逸らし、言葉を返そうと口を開いた。


「ま、真澄だって、さっき散々俺の顔みて……」


たじゃん、という俺の言葉は途中で途切れた。
真澄がまた手の動きを再開したから。

ッ…!

脳まで一瞬で駆け上がるその刺激に、反射的に目が細まる。
ついさっきまでイきそうだった俺の身体はすぐに快感を拾ってしまうようだった。


「っん、…はぁ、っあ、待っ、」


指から力が抜ける。
真澄が的確に俺の弱いところを攻め、意識を真澄から逸らそうとしている。
クチュ、という粘着音が徐々に大きくなっていくのと併行して呼吸がどんどん荒くなっていった。

結局、お、おればっか…!わざと弱いとこを…!

それがわかっているから俺も負けじと真澄の胸の中に顔を埋め、より真澄のそれに触りやすいように身体を中に滑り込ませた。
真澄もじんわりと汗を掻いてるのかいつもより真澄の匂いを感じる。その匂いですら俺を弱らせた。


「ズルい、ふ、おれ、俺も…っ」


真澄の匂いにクラクラしながら必死に手を動かす。
ただでさえ薬ですぐイッてしまいそうなのに、また俺だけイかせられては堪らない。

唇を真澄の胸元に当てながら浅く呼吸を繰り返していると、真澄は少し笑った。


「無理しないで」

「し…てない!ンっ胸、触るなぁ…っ」


中心は十分硬いのに真澄はまだ余裕があるようで、空いてる方の手でまた俺の胸の突起に指を滑らせてきた。
指先をわざとぎりぎり触れるところに置き、それを優しく擦る。
真澄にやめろと声をかけるものの、一方で胸が浮いてしまっていた。まるで触ってくれといってるようなものだ。

やばい、もどかしいのに気持ちいい
もっと触って欲しいと思ってしまう。

耐えるようにしながら真澄の中心を擦るスピードを早める。上の方を小刻みに動かすと真澄が僅かに声を漏らした。

これがいいのかな…?


「ますみ、きもちい…?」


お互い手は緩めず、ただ明らかに呼吸は荒くなってる。俺の問いかけに真澄は頷く。


「…涼に触られてるだけでやばいよ」


声は少し笑っていた。真澄も暑いのか、一度身体を起こし、Tシャツを脱ぎ始める。
露わになる肌に今更視線の置き場所に困る俺。急に男らしくなるからだろうか。


「手貸して」


真澄は俺の手を掴むと、真澄が俺のに腰を近づけ熱同士が密着する形になった。真澄はそれをまとめて手に包み込み俺の手もそこに誘導する

い、一緒にってことなんだろうか…?

両手で互いの熱を包み込み、先程と同様上下の動きを再開する。真澄は根元を、俺は上の方を。

ズリ、とお互いのものが擦れる刺激が初めての感覚で、四肢に甘い電気が流れたようだった。


「ぁ゛、っぅ、ンん…ッ」


自分の手が動けば動くほど刺激が増し、自慰行為を連想させる。が、俺が刺激に耐えられず手を止めても真澄の手は動き続けるから、先ほどよりも声が止まらなくなった。

チカチカと点滅する視界。
俺はつい癖でまた自分の唇を噛んで声を漏れるのを我慢しようとしたが、それに気づいた真澄が俺の頭をそっと抱き寄せ、首元に誘導した。


「もうちょっとだからね」


上擦った呼吸を繰り返す俺の耳にキスを落とす真澄。
俺の首に噛み付いて良いから、と囁かれ、片方の腕を咄嗟に真澄の首の後ろに回す。どこかに飛んじゃいそうな感覚から逃れるように必死に真澄にしがみつきながら真澄の手の動きに耐えた。

肌が泡立つようなゾクゾクとした感じが止まらない。
目に生理的な涙が浮かぶ。
あと少しで果ててしまいそうだった。


「は、ァっ、あ、らめ、も、ンくッ…ン゛」


真澄の優しさに甘え、白く傷ひとつない真澄の首に噛みつきながら上下の動きに身体を任せる。
首に歯を立たせ、その隙間から唾液が流れ続けるがそんなこともう気にする余裕はなかった。


「俺も」


真澄の掠れた声がすぐ耳元で聞こえた。その声がビリビリと俺の脳を揺らし、俺の手はもう動かすことなんて出来なくなった。真澄の手によって快感へと引っ張られていく。


「イくっ…イッちゃ、…う、ッ〜〜ッッ」


真澄の指先が俺の先を何度か掠めた時、溜まったもの全てが弾けた。
ビクッと大きく跳ねる体、真っ白になる視界。
意図せず真澄の首を強く噛んでしまっているがそれくらい強い刺激だった。

ほぼ同じタイミングで真澄も体を震わせたから、真澄も果てたのだろう。
ドクドクとお互いのそれが溢れる感じと荒い呼吸が数秒間俺を満たした。
四肢全てから力が抜け、腕がベッドに沈む。

頭が…
いや、身体がどっか行っちゃったみたいだ

俺いまどうなってるの。

視界がくらくらしながらそんなことを思っていると、真澄が自然な動作でキスをしてきた。二、三度唇を合わせたあとどちらからともなく舌を絡ませ合う。

その頃にはお互い呼吸は落ち着いており、部屋がやたら静かに感じた。


「…待ってね、今体拭くから」


真澄はサイドテーブルにあったティッシュに手を伸ばし、白濁で汚れた俺の身体を拭き取り始めた。
俺は全く動く気力が湧かず、真澄にされるがままになる。俺のおなかは2人分の白濁が散っている。

ぼんやりしているとあっという間にあらかた拭き終えた真澄は「濡れタオル持ってくる」といって部屋を出ていった。

何が何だか…

半分夢の中にいるような感覚を持ちながらとりあえず上半身を起こす。
さっきみたいな肌のゾワゾワとか、身体の疼きは消えたが、色付いた胸の突起や湿っている肌がたった今の情事の全てを物語っており、またベッドに沈む羽目になった。


うわーーーーーーーー!!!!!!
何だったんだ一体!!!!!!!!!!
何やってるの俺!!!!!!!!!!!


これがいわゆる賢者タイムというやつだろうか。
全てを忘れたい。

横に丸まっていたタオルケットを頭までかぶり芋虫状態になる。いくら薬のせいだからと言って色々ライン超えすぎた。ごめん真澄!!!!!!!

グルグルとこの失態と申し訳なさと謝罪が頭の中を駆け回る。
真澄の介護のお陰で薬は抜け切ったようで頭はクリアだが問題があまりにも多かった。




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bkm