誤算、伝染中 | ナノ
27**

!性描写あるので注意!



薄暗い部屋と湿った空気。ほぼ匂いはないに近いけれど、僅かに真澄の香りがするベッド。
その落ち着く匂いに包まれながら、何度目になるかわからないキスを受けていた。

真澄は、俺の拙い舌の動きすら優しく掬い取ってくれる。
このキス自体はすごく優しいはずなのに、俺の身体はひっきりなしにビクビクと震えていた。


「ッ…んぅ…っは、ぁ」


頭が溶けそう。
それだけじゃない、さっきから全身に電流が流れてるみたいに甘い痺れが止まらない。
薬のせいで、俺の身体、壊れちゃったのかな。大体抜けた筈なのに。

真澄は俺に覆いかぶさっており、俺はそのシャツに必死にしがみついていた。しかし、指先にうまく力が入らなくて、クテン、と手がベッドに落ちる。その手に真澄が指を絡ませてきて、じんわりと熱が溶けあった。


「…涼って口小さいよね」


唇を離しながら、そう囁いてきた真澄。
…口?
ぼんやりとした頭だったけれど、ふと顎に唾液が伝ってる感触がした。どちらのものかわからないけれど、俺の口の中に収まらなかった水分だろう。

真澄はその部分に舌を這わせてきて、そのまま首筋を甘噛みしてきた。
人間の急所。そこを甘噛みされて反応しない方がおかしい。


「ぁ…ッ」


ビリビリと脳にまで刺激が走り、堪らず嬌声が漏れた。
咄嗟に恥ずかしくなり、自らの唇を噛む。なんで俺、女みたいな声でちゃうんだろう。
さっき散々出したけど、それでも恥ずかしいものは恥ずかしかった。


「俺以外誰も聞いてないよ」

「んっ、で、でも、…〜ッ」

「涼、」


名前を呼ばれ、真澄を見上げる。俺はすでに快感のせいで涙を浮かべており、真澄はぼんやりとしか見えなかった。

そうしてると、するりと俺の口の中に細い親指が入ってきた。
唇を噛むくらいなら、真澄の指を噛めということだろう。


「これだったらいっぱい噛んでいいよ。」


そう言いながら真澄はまた俺の肌を撫で始めた。首筋、鎖骨、そのまま胸のところにまで指を滑らせると、顔をそこに近づける。俺の弱いところ。真澄の吐息があたっただけでも、顔に熱が集まるのがわかる。まだ触られてもないのに、想像で反応してしまい、わずかに歯に力が入った。

真澄はその様子に気付いていたのか、俺の胸元で小さく笑った後、そこにゆっくりと舌を這わせた。熱くて、柔らかい真澄の舌。瞬間、ビクッと身体が大きく跳ねてしまい咄嗟に真澄の頭に指を差し込んだ。


「ま、ふみ…ッ、おれ、そこ…」

「うん」


チュ、という粘着音と真澄の舌が突起に這う感触。そこに全神経がいってしまってるんじゃないかと思うほどの甘い刺激に、堪らず声が漏れる。そのまま空いている方の手で俺の太ももに手を這わせてきて、頭がおかしくなりそうだった。


「はっ、…ッ、ぅ、う、」


腰にまいていたタオルはもはや意味をなしていなかった。両足にかかってはいるが、真澄はすでにその中に手をいれており、そっと中心部の熱に指を絡める。一番敏感なところに触れられ、目をギュッと瞑った。


「…熱いね」

「い、いわ、らいれ、…っ」

「ふ、…かわいい」


真澄は僅かに笑いながら、俺の硬い熱に5本の指を絡めてそれをゆっくりと上下に擦った。的確な場所、力加減、スピードでそれを扱かれ、頭の奥が点滅する。

こんなこと、本当に、普通だったら考えられない。でも真澄は甘えて良いって言った。だから俺はこんなことを真澄にさせてる。

羞恥と申し訳なさと、それらを圧倒的に上回る大きすぎる快感に堪らなくなって、咄嗟に真澄の髪をギュッ掴みながら息も絶え絶えに声を上げた。


「ぁ、っ、や、…きもひい、それ、やら、」


もはや声すらか細く、嗚咽に近い俺の声。
乳首を舐められ、自らの下腹部を扱かれ、壊れてしまった玩具のようにビクビクと身体を震わせてしまう。でも制御ができない、気持ちがよすぎる。

さっきは薬でほとんどぼんやりしていた頭だったが、今はどこがどういう風に刺激を受けてるのか鮮明にわかってしまう。だからこそ、さっきとは違う快感が俺を襲っていた。


「大丈夫だよ、…もっと気持ちよくなろうね」


真澄はまるで子供に言い聞かせるように、俺の耳元で囁いた。俺のことを、あの綺麗な目で見下ろしながら。…目を開けなければよかった、真澄がこんな色っぽい顔で、俺を見ていたなんて。

咄嗟に目を閉じるが、閉じたら閉じたで視界がシャットダウンされ快感の方に集中してしまう羽目になる。逃げ場、なさすぎ。


「ん、んぅ、…ッ」


真澄が指を上下に律動させる度に、声が溢れてしまう俺。ふと、口から真澄の親指が抜かれ、その手が胸の方に伸びた。そのまま突起をぎゅっと摘ままれ、また身体を跳ねさせてしまう。


「っ、あッ…ぅ…!」


足の爪先までピン、と力が入ってしまう俺。
咄嗟にその刺激から逃れようと足を曲げると、ふと自らの太ももに何やら硬い感触が当たった。真澄の足の間。

…?
なに、…?

その感触を確認するようにして僅かに足を折り、そこに膝を当てる。…硬い。そこを示すのは真澄の中心で、驚いたことに真澄自身も、確かに反応していた。

そのまま膝をスライドさせるとピクリと身体を震わせた真澄。


「、涼…」


俺に膝で擦られ、真澄は色っぽい吐息を漏らした。
真澄が、俺の膝で感じている。
俺は真澄のその反応に心臓がギュッと縮まった感じがした。

あの、真澄が、こんな反応を。


「…涼、俺はいいから」


俺が真澄の中心に手を伸ばそうとしたら、真澄が阻んだ。俺の手をベッドに戻し、足も下ろされる。

その言葉に、何故かムッとしてしまう俺。
真澄の手が止まったのをいい事に、顔を僅かに上げながら真澄に訴えた。


「…俺ばっか、いやなんだけど。真澄もそうなら、一緒に抜けば良いじゃん」

「馬鹿言わないで」

「言ってないよ、俺ばかり痴態晒すの不公平じゃん…!」


全部俺が悪いのに何を言ってるんだ、って感じだけれど、真澄もそうなっているのならば、真澄に我慢させる理由がない。真澄が俺に触られたくないなら別の話だけど、さっきの反応的にそんなことはなさそうだった。

俺は、真澄の静止の声を無視して真澄の腰周りに手を伸ばす。そのまま、目的のものをスウェットの上から触れると、真澄の眉間の皺が一層深くなった。


「ねえ、触っても良い…?俺も真澄に我慢して欲しくない」


ここまで色々介抱してもらって、俺ばかり何もしないのはさすがに申し訳なかった。

これ以上真澄が何を言ってもやめるつもりはない俺。それを真澄もわかっていたのか、何も言わずにまた深いキスを落としてきた。

それをイエスとみた俺は、キスを受けながら真澄のスウェットの紐に手をかけて解いていく。真澄は俺にキスをしながら、また手の動きを再開したため、俺は指先が痺れ、たどたどしく紐をほどく羽目になった。




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